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【side神庭崎 徹】
ガンッ!
残り2人の内1人を壁へ投げつけた。力加減なんて既に忘れてしまったからぶつかった鉄壁が凹んでいる。多分骨が折れて内蔵に刺さったかなんかしただろう、血泡を吐いて白目向いている。まぁ、関係ない。一人生きてればいい話だ。
「で?誰だよ?」
「グッっ」
胸ぐらを掴んで持ち上げた。軽々と上がるそいつは浮いた足をジタバタさせ抵抗をしてくる。俺は話を聞きに来ただけなのにな。
「彩を襲えって言ったのは誰だって聞いてんだよ」
「……っ、……」
言わないつもりか、黙っている。
「………【ROLL】か?」
その言葉に微かに揺れる。コイツは本当に組織の奴か?誘導尋問なんかで反応するなよ。
「そうか………あいつか……」
仮定が確信に変わった。もう二度と戻らないと決めていた、思い出の地と、この世で一番嫌いなあいつがやっぱり黒幕だったかとため息をついた。
黒い髪に黒い瞳。深すぎるあいつの黒は嫌いだ。
血を拭い、【ROLL】へと足を向けた。
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