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Wind of Adventure
1-5
『フェイ、それからクリス君、ミカエル君へ

この手紙の存在を知る頃には、城下町に着いたと思われ、これからの事に悩み、どうするか模索しておる頃とお見受けする。
ところで、フェイに託したものが二つあることには気づいたであろう。一つは、羊皮紙に書いたこの手紙。そして、もう一つはこれからのことに役立つ紙だ。日のあるうちに、この白い紙を城の門番に見せるとよかろう。中身は、お主らが読んだところで何の知識にもならん。
とにかく城まで行き、それを渡すといい。そこで、新たな道が開けるであろう』

読み終えたのち、三人は羊皮紙と白い紙を代わる代わる見つめた。しばらくランプの中で油が燃える音が聞こえるくらいの静けさが漂ったが、それを破るかのようにクリスが口を開く。

「一枚目は、オレ達宛ての手紙っぽいね。そんで、もう一枚は………」
「通達、のようだが………かなり重要な役目を持っていそうだな」
「なっ……なくしたら大変なものをボクに持たせてよかったのかな〜!!」

三人は先ほどより、白い紙の扱いがかなり丁寧になった。絶対になくしてはいけないと思ったのか、フェイはカバンの奥にしっかりとしまい込んだ。
「それにしても、なんで師匠は羊皮紙と白い紙にわざわざ分けたんだろう……」
「今フェイがしまった白い紙、特別な紙だったりして。質も新聞とか本のそれとは違ったし、明らかに高級な紙ですって感じじゃなかった?」
クリスがそういうと、ミカエルも軽く頷いた。
「城の門番……まさか王家に渡せ、とでも言うのか」
「まさか〜!なんで師匠が王様に渡すものを用意したのかな?」
「通達だろ。ということは、何か重要なものだってことかも」

謎が多く残される白い紙。三人がいつもより悩み、考えを絞り出している。しかし数刻経っても何も浮かばなかったのか、深いため息が三か所で響いた。羊皮紙に書かれていた通り、これ以上の議論は三人の中で無意味であると察し、深入りすることはなかった。

「仕方ない、明日になったら城門に行こう。悩むよりは、そっちのほうが早そうだ」
「……そうするしかないな」
クリスの言葉に、ミカエルは同意する。とにもかくにも、手紙の記した通りに行動を起こすしかなさそうだ。

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あきゅろす。
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