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Wind of Adventure
1-2
「あくまで今の時点では、の話です。目覚めているのはわずかなもので、未熟なものに変わりはない。……これほどのものであれば我々の出る幕はなく、雑兵で手が足ります。しかし、いずれ脅威になると見た場合には……」

「それじゃあ、こいつらが……ぶちこわすんだ。はやくタマシイまでボコボコにしようよ」
「はやく、コロシちゃえばいいのに」
彼が続きを言おうとすると背の低い彼らから横槍が入る。

笑いすら混ぜこみ発せられる、残酷な言葉。それを躊躇うことなく口にする。

それに対し、この場にいる誰もが表情を変えることはなかった。

「口を慎め。話は、まだ続いている」
男が鋭く言うと、彼らは一発で暗闇に沈む。彼が何とも思わず話を続けようとする空気を作り出す周囲。男のその目は、まっすぐと女性を通り越して奥にある人影のほうを見つめる。

「脅威になると見た場合には早い段階での手出しも考えていますが、……成熟してからの始末のほうが面白いではありませんか。そのほうが、キングはお喜びになる。今は、その機会を伺っているのです」
男が話を終える。その後は誰も、何の言葉も出す様子はなかった。ただ、遠くのほうで轟く音が室内に入り込んでくるのを除いては。

「なるほど。簡単に手に入れるより、多少の遠まわりをして手に入れるほうが面白いと。……キングは、貴方と同じことを思うでしょう」
沈黙を破り、言葉を発したのは女性だった。それに同意したのか、周りもうなずく様子を見せる。
「計画はそのまま継続。この子たちも、しばらくは様子見ってことで」
彼女の言葉に、男は跪く。

「仰せのままに、我らが主」

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