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運動後にゼイゼイ言いながら息を整えている
俺の隣にソイツはやってきて

「疲れた?」とか「暑い?」とか好き放題言ってくる。

見て分かんないのかよ!
と返すと、

「それじゃあ、今から涼しくしてあげるね。」

と言われた。

うちわか何かで扇いでくれるのかと思いきや、
ソイツは外に向かって両腕を広げ、目を閉じた。

すると、今さっきまで風なんてちっとも吹いてなかったのに
心地よくて、冷たい風が吹き込んできた。

「涼しー・・・」
思わず声に出るほど、本当に気持ちのいい風だった。


(ニヤッ)

今、ニヤッって・・・

不敵な笑みを浮かべた後で、広げていた両腕を前に突き出して、力をこめた(ように見えた?)。

「――――ッッ!?」

さっきの風とは全く違って、その辺にある物が全部吹き飛んでいきそうな程の強い風が吹いた。

いや、まさかとは思うが・・・

ビックリしてしりもちをついた俺を見て、
ソイツは楽しそうに、得意げに笑っている。



その笑顔で、俺は全てを理解した。



Nice to meet you! WIND GIRL!
俺はどうやら、とんでもないヤツに出会ってしまったらしい。





(今まで俺のプリントやらタオルやら吹き飛ばしてたのお前だろ!)
(・・・ぎくっ)
(やっぱりそうだ! 謝れっ! プリント返せーっ!)


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