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君は夢見るShangriLa。


S h a n g r i L a




嘘吐きね、と彼女は言った。
この世界はきっと、嘘で出来ているんだわ、と。


そうですね、と僕は答えました。
君の前に立っている僕も、君にとってはきっと嘘なので、そう言いました。
現に僕は光線が折り重なっている唯の立体映像なのですから。


どうせ嘘なら、もっと綺麗な所へ行きたいわ、と彼女は言いました。


『ShangriLa』のことですか、と僕は聞きました。
そう言ったのは、存在するかどうかも定かではない世界、嘘によく似ているのではないかと思ったからです。


もしそこが偽者だらけの世界だとしても、ここより良い所ならどこでもいいの。
偽者と一緒にふわりと消えることが出来たら・・・すごく素敵でしょう?


微笑んでそう言った後、彼女は僕の電源を落としました。





「ここじゃあ消えることさえ出来ないのよ。」








此処は人間が栄華を極めようと発展させた世界。
彼女曰く、嘘(機械)で出来た世界。
人間は滅び、この世界のお姫様はたった一人生き残った少女。
嘘の世界で生き続ける、一筋の真実。

籠の中で少女は今日も、「ShangriLa」を夢見て嘘と共に生きているのです。




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