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敬愛する'サンタクロース'様。



サンタクロースはいるよ。いいや、いない。
物心ついた子供達が小さな闘争心を燃やす年末。
僕はその光景を見て鼻で笑い、過去へと戻る。サンタクロースの存在を100%信じていたわけではなかったが、全く信じていないわけでもなかった。「欲しい物を都合よく運んでくれる」そんな感じだった。
僕のサンタクロースは数年前に姿を消し、その代わりは親が引き継いだ。・・・というか、姿を変えたと言う方が正しい。今よりもまだまだ餓鬼だった僕に、'サンタクロース'は残酷にも自らの正体を告げた。それが僕のリアリズムや悲観主義の始まりだったのだろうか。今思えばそうかもしれない・・・
いつか、僕がもっと大人になれば'サンタクロース'がサンタクロースになった理由が分かるのだろうか。何故サンタクロースが必要なのか、という理由も分かるのだろうか。
とりあえず今は良く分からない、ということは僕は子供ということか。
僕の乱雑に知識を詰め込んだ頭は、サンタクロースと聞けば「ソリとトナカイで空は飛べない」と瞬時に弾き出す。自分で言うのもなんだが、本当嫌な奴だ。子供は子供らしく「サンタさんが来てくれる」とはしゃいでいればいいのに。 ・・・あ、僕のサンタクロースはもういないけど。


「おねえちゃん、さんたさんって、ほんとにいるの?」

奇跡的なタイミングで妹が話しかけてきた。
サンタクロースを信じる程子供でもないが、サンタクロースになれる程大人でもない僕は、

「いるよ、沢山ね。サンタクロースは、ソリとトナカイに見える専用の飛行機に乗って、夢見る子供たちにプレゼントを運んでくれるんだよ。」

「やっぱり!おかあさんもね、いるっていってたもん!あたしね、さんたさんに・・・」


小さな妹のために、小さな小さな嘘をついた。
楽しそうに笑っている妹の前で、僕はどうしても笑うことが出来なかった。





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「かなしくもおかしい」
Oxygen shoetageさま提出作品/作者:しゅな



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あきゅろす。
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