[携帯モード] [URL送信]
1...

「お、おいっ!アル…っ」

くいっと引っ張られた裾と声に振り向くと、自分の目線よりやや下辺りに見知った顔があった。

「むぐ……んっ…っと。やぁ、アーサー。何か用かい?」

くわえたまんまのドーナツを慌てる事なくゆっくり飲み下した後、問い掛ける。
食べながら話すと彼は怒るし、これが最後の一個だからね。
きちんと味わわなきゃ。

「…って、お前また食ってるのかよっ。さっきハンバーガー食ってたとこじゃねーか!」

「いいだろ別に?だいたい俺が何処で何食べようと君には関係ないじゃないか」

……理不尽な事にどっちにしろ俺は怒られるみたいだ。
どうして彼はこう口煩いんだろうね。

「か…関係はねぇけどよ……あ、あんまりそういうのばっか食ってると太るぞ?」

「うぐっ……!」

な…なんで俺が最近ちょっと気にしてる事を……っ!?

「き…君こそ貧弱な身体してるんだから人の事言う前にもっと食べたほうがいいんじゃないかい!?」

「余計なおせわだっ!…ったく。でもホント、身体には気をつけろよ?……べ…別にお前の事心配して言ってるんじゃなくてだなぁ…その、一般的な忠告として、言ってるのであって…」

また始まったよ。
まぁ、彼が俺のこと心配して言ってくれているであろう事は分かってるんだけどね。
……いや、散々空気読めって言われる俺でもそれくらいわかるよ?

(全く素直じゃないんだからなぁ…)




[*Back][Next#]

2/7ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!