君が笑ってくれるなら 4... 穏やかな時間は過ぎ去り、崩壊の音は既にあちこちから響いてきていた。 長引かせるくらいなら、いっそ…―― そう思って奴があいつから離れるのを援助した。 「そして、その結果がこれか……」 俺が望んだのは、昔のような関係。 たまに、というより結構ボコられたりもしたけど、あいつが怒って、笑って、楽しそうな表情をみせてくれてれば良かった。 それだけだったのに…… 「――っと…」 考え事に集中しすぎて、火を止めるのを忘れるところだった。 温めておいた新しいカップにミルクをいれ、紅茶を注いでいく。 「これでいいだろ…」 本場のやつには叶う訳無いが、まぁ及第点だ。 湯気をたてるカップを持ち上げ、再び部屋に戻ろうと空いた手をドアノブに伸ばす。 しかしそれは俺が触れる前に勢いよく開け放たれた。 [*BACK][NEXT#] [戻る] |