『グリーングリーン』
2...
彼女の質問に、知らない、と正直に答えたら殴られた。
痛い、と涙目で訴えたら、うるさいと返された。
そうして彼女は自慢げに、無知な下僕に仕方なく知恵を与える暴君のように語った。
「『グリーングリーン』は私が一番好きな歌。教えてあげるから覚えなさいよ」
そういって教えてくれた歌詞はリズムに反して意外とヘビーな内容だった。
ある少年がある日、父親と生きる意味を語ったことから始まって、自分の父親が“二度とかえって来ない遠い旅路”に出かけた後、その少年が大人になってあの時の父親の気持ちを理解するといった感じの歌だ。
一つ一つが短いとはいえ7番まであった。
[*Back][Next#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!