Pandora Hearts That light once again8 「な…………!」 暫くして荒れ狂う光と風の波が収束すると、そこには一人の少年の姿があった。 「これはこれは……」 「――――っ!!」 黒い影が真っ先に飛び出して駆け寄る。 「驚きましたネェ……」 後を追うように近づくと、そこにはあの時と全くといって良いほど変わっていないオズ=ベザリウスの姿があった。 「―――オズッ!」 意識のない少年を彼が抱きかかえる。 「自力でアヴィスから出てきちゃいましたヨー、彼」 「……っ、ありえません…こんなこと…」 後ろから二人の声が聞こえる。が、そちらに構ってる暇はない。 オズに触れた彼の手にはべったりと赤い色が付着していた。 一番深いのは左肩の刺し傷だと思われるが、その体には他にも大小問わず様々な傷が見られた。 そのどれもが出来てさほど立ってない様子だ。 [*Back][Next#] [戻る] |