BOX AND FRIENDS 第1-4話 一方その頃。美梨原。 「くっそー……2人だけ同じクラスとかマジありえねぇ…」 クラス発表でかなり落胆した美梨原は自分の教室へと足を向けていた。 その歩いている姿からは尋常じゃないほどの負のオーラが出ており、彼の周り1m以内に近づこうとするものはいない。 スポーツ特待クラスはS組みの隣のSP組。なんだSP組って。馬鹿にしてんのか。 スポーツのSPを取ったっていうのは分かるけどなんかこう嫌だ。嫌すぎる。訳せばすぽ組じゃねーか。すぽ組?あれ、なんかじわる。かわいくね?すぽ組。なんか楽しくなってきた。間抜けっぽい。すぽすぽ。ふふふ。 「ってアホかァァァ!!クッソタレがもうどうにでもなりやがれ!!!!」 ガラガラ ガンッと教室の扉を開けながら叫んで教室へと入って行った。 ―――後に伝説となる行為である。 * 「なぁ、俺たちずっと一緒だよな」 1人の少年が呟いた。 「うん、一緒。」 もう1人の活発そうな少年が返す 「離れないよな」 また、最初の少年が問うた 「離れるわけねーだろ。」 また別のちょっと生意気そうな少年がそう返す。 「だよな」 そこで会話は途切れた。 静寂に包まれる そこは墓地だった。 昼下がりの墓地には誰も参るものも居なく、そしてその周囲はヤケに静かだった。 澄んだ空気。鬱陶しいほどの日光。清々しい青い空。そして香る春一番。周りに囲まれた絵に描かれたような綺麗な色の緑。膝の丈まで伸びた青々しい草。 澄んだ背景とは裏腹に今にも泣きそうな顔をした少年たちが3人。1つの墓の前に立っていた。 「鈴……」 少年たちの頭には今まで共に過ごしていた1人の少年が描かれていた。 「なぁなぁ、翔太郎」 俺は笑うのをこらえて翔太郎に話しかけた。 「イキナリ叫んで教室に入って黒板消し……ブッフォ!!.」 最後まで言えずに吹き出してしまった。 「きったねぇ!!!」 「シンホいやん」 「ごめんごめん……」 その間も笑いは取れず顔はこれでもかというほど破顔していた。 だってアレだぜ?翔太郎が意味不明に叫んで教室に入ったかと思えば上から降ってきたんだって、黒板消しが。 アレだよ、よくあるイタズラ。黒板消しをドアにはめて、入ってきた人の頭にやるやつ。 SPクラス最高かよ。 「っつーかなんで叫んで入ったんだよ」 「それは俺も気になるわショッタロー。ショッタローもう人気者じゃん。」 「るせぇ!黙れ沈めんぞ!」 入学式が終わり、少し早めのお昼。 まぁ、この後生徒会紹介と先生方の紹介があるのだけれど。それも1時間ばかりで終わるから早めに寮部屋に入れる。 寮部屋は俺と翔太郎が2人部屋。 優斗が別の人と2人部屋。 優斗とは部屋が離れてしまったけど気ままでのことを考えるとどうってことない。 そこまで考えたところで話は別の方向へと移っていった。 そこで一番記憶に残ったのは1年生のどこかのクラスのやつが出血して倒れていたとかの話。 入学式だというのに大変そうだと思った。 [*前へ][次へ#] |