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dell'un l'altro(骸雲)






dell'un l'altro





ここ最近、雲雀君と触れ合っている時間が少ないと思う。何故かと言うと、僕は犬に振り回され(たまには遊んで欲しいと言われ)、雲雀君は雲雀君で、委員会の仕事が忙しいらしい。


…正直、少し寂しいです。


僕にとって雲雀君は無くてはならない存在だから。一緒に居られなくても死ぬわけではないけれど、でも、死んでしまうと思えるくらい寂しい。


「雲雀君はどうしているでしょうか…」

僕が居なくて寂しいと思ってくれているのか、それとも、居なくて清々しているのか…。後者だったらかなり落ち込んでしまいそうだ。


「骸様。そんなに溜め息ばかり吐いて……気になるのなら彼の元へ行けば良いじゃないですか」

数秒ごとに溜め息を吐く僕を見兼ねたのか、千種に言われた。


「ですが…」
「犬なら俺が何とかしておきますから」
「…お願いしますね」

そう言って、次の瞬間には駆け出していた。一刻も早く、雲雀君の元へと行きたかったのだろう。そんな自分に、苦い笑みが零れた。




――――――――――





「雲雀君…まだ居るでしょうか…」

応接室の前。すっかりと日が暮れてしまっている事に、少し不安を感じ。それでも、ゆっくりと扉を開けた。


「!」
「雲雀、君」

彼は未だ、書類を片付けている最中なのか、ソファに一人、座っていた。たった数日会わなかったというだけなのに、その姿が酷く懐かしい。


「…最近来なかったけど…何してたの?」

浮気でもしてた?


いつものようにストレートに言われた台詞。浮気なんて…するわけないのに。


「違いますよ!ちょっと…犬と遊んでいただけです」
「あの子と?…どうして急に?」

「いつも千種としか遊んでいなかったから、寂しかったのでしょう。たまには遊んで下さい、と言われました」
「…そう」

再び書類に視線を落とす雲雀君。…何だかちょっと不愉快です。


「雲雀君」
「!…なに」

雲雀君の目の前まで歩いていき、彼の両脇へと手をつく。そうしたら、雲雀君は一瞬驚いた表情をして、次の瞬間には元通りになっていた。


「久しぶりに会えたというのに、書類ばっかり見て……寂しいじゃないですか」
「…っ、仕方ないでしょ。今日中にやらなきゃいけないんだから」
「でも…」

僕よりも書類を選んだような気になって、少しだけ、落ち込んでしまう。
けれども。


「…だって」
「え…」
「僕、だって……」

寂しかったんだか、ら…っ

ぽろり、と雲雀君の口から零れ落ちた本音。手に持っていた書類が、力強く握られる。


「突然来なくなって……僕に飽きたのかと思った…」
「そんな…っ、飽きるはずなんてありません…!」

思わず抱き締めてしまった。雲雀君が泣きそうに見えたから…。そうしたら、雲雀君もぎゅぅっと僕の背中へと腕を回して。


「僕は毎日、雲雀君の事しか考えていませんでしたから…!」
「骸…」

こんなにも会いたくて堪らなくて、ひたすら走ってきたのだ。


「僕、も……骸の事ばっかり考えて、た…」
「え」
「本当はこの書類…何日も前のなんだよ……ただ、骸の事ばかり考えていて…終わらなく、て…」

ほんのりと頬を赤く染めて、雲雀君が言った。

…っ、何て可愛らしいのでしょう…っ

愛しくて堪らない。そこまで想ってくれていたなんて。きっと、先程までの態度も、彼なりに精一杯強がった結果なのだろう。

あぁ…本当に愛しい。

いっそこのまま、どこか遠くへ連れ去ってしまえたら良いのに…

そうしたら、書類だの何だのに縛られる必要も無い。犬の事は…千種に任せるとして。


「…っ」

一人でそんな葛藤をしていたら、雲雀君の身体がびくっと動いた。どうしたのだろう、と顔を覗けば、彼の顔は真っ赤になっていて。

どうやら、いつの間にか声に出してしまっていたらしい…。


「雲雀君…」
「ゃ…んんっ…」

あんまり可愛いから、その唇に口づけを落として。
久しぶりのキスに、少々夢中になってしまった。


「ふぅ、ん…っ、ん…っ」
「……可愛い」
「…!」

あぁ、どうして僕は、こんなに愛しい人と、少しの間とは言え、離れてしまっていたのだろう。


「本当…連れ去ってしまいたいです」
「…っ」

耳元で囁けば、再度びくっと揺れる身体。それから、少しだけ強く握られた服。


「雲雀君…?」
「…骸、になら…」
「え…?」
「骸に、なら……連れ去られても良い、よ…?」
「!」

恥ずかしさのせいか、真っ赤な顔のまま、消え入りそうな声で呟く。それを聞いた途端、僕の中に衝撃にも近いものが走り渡った。


「骸…?」
「…っ、可愛すぎますよ本当…っ」

本気で離れたくなくなってしまった。どれだけ…僕を虜にすれば気が済むのだろうか。

愛しくて堪らなくて、ただ強く抱き締める。


「む、くろ」
「…とりあえず今日は、僕のアジトにでも連れ去ってしまおうと思います」

しばらく会えなかった分も、たっぷり愛して差し上げますから。


「……ばかっ」
「可愛いことばかり言う雲雀君が悪いんですよ?」

もう一度、愛しい人に口づけを贈って。
それから、彼を優しく抱き上げて、持っていた書類は再び机の上に置いて(少し文句を言われたけれど)僕達はこれから甘い時間を送るべく、アジトへと向かったのだった。














end...


























あとがき&お礼



†Lapis Lily†/宝野 璃々様


10000hitキリリクとして頂きましたv

宝野様の書かれる骸雲が大好きでして…っ
感謝感激です!←

雲雀さんが可愛すぎて、やっばいです!
顔がニヤけまくりですよっ(爆)
そして骸雲熱がさらに上がりました!

このような素敵な小説を頂けて、幸せです♪
本当にありがとうございました!!




2007.4.1

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あきゅろす。
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