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急いで行ってみると、相変わらずコムイ室長は書類の山の中に埋もれていた。
「あ、早いね、香奈ちゃん」
「一体何の用でしょうか?」
「あのね、リナリー達との通信が切れてしまったんだ。
さっそくだけど、心配だから行ってもらえないかな」
「はい、分かりました」
「特にさぁ、アレン君がリナリーに何もしてないか気が気じゃなくて…」
「………(無視)
発つのは今すぐが良いでしょうか?」
「そうだね、出来れば早急に願いたいね。
リナリーの身も案じられるし…」
「………(また無視)
では、荷物をまとめ次第、出発します」
そう言って、その部屋の扉へ行き、出ようとした時。
「あ、香奈ちゃん!」
「まだ何か?」
「うん、気をつけてね。
行ってらっしゃい」
予想外の言葉に、一瞬固まる。
「行っ…て、きます…」
室長室から帰るとすぐに荷物の準備を終え、出掛け支度でユウを探す。
廊下で偶然見つけたユウは、あのラビと一緒だった。
「お前、その荷物…」
「アレン達の助っ人だって。
今すぐ行ってくる」
「そうか」
あ、ちょっとだけでも寂しいって思ってくれたかな?
しかし、次の言葉を発したのはラビだった。
「残念さぁ、香奈に会えたばかりだってのに…。
…あ、そうだ」
…何か今、不気味に笑わなかった?
じっとラビの顔を見て考えていると、その顔がすっと近付いてきて……。
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