4 「ダメ…! お兄ちゃん、やめて!!」 「香奈は、アクマとして失格。 いつかはこうなるって薄々分かってたんでしょ?」 「覚悟の上だったわ…。 信じたくは無かったけれど…ね」 香奈が、奈穂の右肩から剣を抜き取る。 傷口の辺りに知のように赤い三つ巴の紋が現れ、傷口は塞がった。 「だから、そうなる前に、私の一部をお姉様に移したかったの…。 私はいつも、お姉様の近くに…居たいから…」 「…香奈! 香奈!!」 私の声が虚しく空間に響き、やがて香奈は砂と化してしまった。 「あぁぁ…っ」 「…僕はもう用が無いから、帰るね」 蒼剣を投げてよこした隼人お兄ちゃんが、香奈の持っていた偽・蒼剣を拾う。 「また会うだろうから、それまでバイバイ」 そうして、お兄ちゃんは掌をヒラヒラさせて暗闇の中に消えていった…。 フラフラする体を支えきれずに、私はその場に崩れた。 . [*前へ][次へ#] |