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「オレがこれから言う事の意味、少年は知ってるだろうけど、助けるどころか話す事すら出来ないよな?」

アレンは今…あの球体の中?

「隼人お兄ちゃんに何をしたのっ!!」

「隼人には、ティーズの苗床になってもらってたのさ。
伯爵からは、隼人の監視も任されてる。
戦力にならなくなったら、いつでも殺していいってさ」

「そんな、酷い…!」

「さぁ、ティーズ、来い」

しかし、いくらティキが声をかけても何も出てこない。

お兄ちゃんは苦しむばかり…だったが、突然不気味な声で笑い出した。

「くくく…はははははっ!
よっぽど僕は信じてもらえてなかったようで。
…くくっ」

「お兄ちゃん!?」

「…おい、ティーズをどうした?」

「あぁ、これの事?
抜け目のない奴だなぁ、いつの間に忍ばせてたの?
こんなのに命を吸われて堪るかっての」

お兄ちゃんが出した手の中から、黒い砂が零れた。
ティキの周りを囲む蝶の残骸のようだ…。

「ったく、お前はどんな奴だよ。
覚醒するならするで、もっと早くすれば良かったのに」

「それはティキだって。
ほら、憂さ晴らしにその少年殺すんじゃなかったの?」

「そーだった、そーだった。
行かないと」

お兄ちゃんとティキの会話は終わり、ティキは黒い球体の中へと入って行った。

「…お兄…ちゃん…?」

「奈穂…今ね、頭の中にノアの記憶が戻って来ているんだ…」

「…!?」

「エクソシスト…最も憎むべき存在…」

下を向いていたお兄ちゃんが顔を上げると顔が黒くなっていて、前髪を掻き上げると額にはくっきりと聖痕が現れていた。

「…僕は…『変化』を司るノア…。
奈穂はもう敵としてしか見れない。
容赦しないから、覚悟してね?」

「…お兄ちゃん…!!」



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