6 リナリーについていったのは、アレン・ラビ・クロウリー・チャオジー・ユウ。 また、ユウとは離れ離れか…。 あはは、私ってばいつの間に、こんな弱虫になっちゃったんだろ…。 残された私達の目の前の世界では、異変が起き始めていた。 空にパズルのような亀裂が入り、空がピースになって降ってくるのだ。 「空が崩れて…!? 一体、何が起ころうとしているの…?」 「知りたい?」 …………。 「お兄ちゃん!?」 「やぁ。 また会えて嬉しいよ」 「何でここに…?」 「一緒に来てほしいんだ。 ちょっと、おいで」 私が他の人達よりも後ろに立っているせいか、誰も隼人お兄ちゃんの出現に気付いてない。 声をあげようとしても、体が麻痺したように動かないし…。 やがて、視界が一瞬にして真っ暗になった。 気が付くと、そこはたくさんの写真がびっしりと飾られている廊下。 「前にロードと一緒に会った時にあげたドレス、今も持ってる?」 お兄ちゃんが、私の持っているかばんを指差した。 確かに、あんなに豪華な服を捨てるのは勿体なくて、取っておいてある。 「そこの部屋で着替えてきて」 「え、何で?」 「きちんと正装しないと、入れてくれないんだ」 よくは分からないが、取り敢えず着替える。 こうやって言われた通りに動く私は、どうなんだろう…。 「お兄ちゃん、これで良い?」 「うん! やっぱり奈穂にその服は似合うねぇ」 「それで? 私を呼んだ理由は何なの?」 「まぁまぁ。 そんなに急かさないで。 …さぁ、こっちだよ」 連れて来られたのは、とある扉の前。 お兄ちゃんが開いた先には…。 「遅かったデスねv」 「伯爵…!」 「女の子の着替えには時間が掛かるものですよ? 奈穂、ここに座って」 お兄ちゃんが引いてくれた椅子に、ゆっくりと座る。 緊張からか、体が強張っている。 ここで、私が伯爵を殺せたら…。 . [*前へ][次へ#] |