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「あ〜、ちょっと待って!」
呼び止められて振り返ってみると、白い服を着た男の人がいた。
パタパタと走り寄ってくる間に、その人が室長だったと思い出した。
「何でしょうか、室長…?」
「やだなぁ、他人行儀なんだから。
ここはホームなんだからさ、コムイさん、とかって呼んでくれると嬉しいなっ!」
「………。」
「(反応無しか…)
その服じゃアレでしょ?
用意した服があるから、着替えておいで。
リナリー、手伝ってあげてくれる?」
はーい、と返事をする子の隣で、自分の服が血だらけだと初めて知った…。
その血と重なって、夢で見た惨劇の残像が目に浮かぶ。
「……ぃゃぁっ…!」
そのまま、うずくまってしまった。
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