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「おい、そろそろ起きろよ!」

「まぁまぁ、神田」

「休める時に休ませてあげよう」

目が開く前に、意識がハッキリしてきた。

「…おはようございます…」

「!!起きたか!
大丈夫か!?」

「あれ?
私、何でここに…」

「覚えてないのかな?
また穴が現れて、そこから吐き出されたんだよ」

まだ少し頭がボーッとする。

「なぁ、それ…どうした?」

「え?
…あぁ。
香奈に刺されたの…」

三つ巴はまだ赤く、脈でも打っているかのように感じられた。

「別に大丈夫。
痛くもかゆくもないから」

「そうか。
…一つ言っておくけどな、俺がお前に惚れたのは教団で再会してからだ!」

見ると、真っ赤になっていくユウの顔。

「うん、励ましてくれてありがとう」



すぐに本部に連絡を取り、全てを話した。
理解してくれるのは難しいだろうが、私は“香奈”じゃなくて“奈穂”だから。



それから、デイシャ達の遺体を引き取りに来た探索班が持ってきた、新しい団服に着替える。
今私が着ているのは、3年前に教団を逃げた時から着ているので、とても古くなってきていた。
香奈に肩の辺りの服を破かれちゃったし。





それから、数日が経った。

「ところで、私達はどこに向かっているんですか?」

今は船に乗っている。

「次は、日本で適合者を探そうと思ってるんだ」

自然と、香奈が思い出され、右肩の三つ巴に触れる。
すると何故か、口が勝手に言葉を発した。

「…蒼龍、出て来て」

突如として三つ巴が蒼く光り、海の上には大きな影が。
暫く呆然と口を開いていたが、現れた蒼い龍に手を差し延べると、近付いてきた。

周りの人に聞いてみたが、見えているのはどうやら私だけらしい。

体が透き通っているのは、水か水晶で出来ているからなのだろうか…。

私以外の3人には不安だと思うが、せっかく呼び出したんだから、そこからはその龍を移動手段にした。
風を切って飛ぶこの龍は、香奈の力の一部らしい。
これが一部となると、香奈はどんなに重いものを背負って来たのだろう…。



やがて現れた改造アクマの案内で、日本は日本でも伯爵がいる江戸へと向かったのだった…。



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