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「ダメ…!
お兄ちゃん、やめて!!」
「香奈は、アクマとして失格。
いつかはこうなるって薄々分かってたんでしょ?」
「覚悟の上だったわ…。
信じたくは無かったけれど…ね」
香奈が、奈穂の右肩から剣を抜き取る。
傷口の辺りに知のように赤い三つ巴の紋が現れ、傷口は塞がった。
「だから、そうなる前に、私の一部をお姉様に移したかったの…。
私はいつも、お姉様の近くに…居たいから…」
「…香奈!
香奈!!」
私の声が虚しく空間に響き、やがて香奈は砂と化してしまった。
「あぁぁ…っ」
「…僕はもう用が無いから、帰るね」
蒼剣を投げてよこした隼人お兄ちゃんが、香奈の持っていた偽・蒼剣を拾う。
「また会うだろうから、それまでバイバイ」
そうして、お兄ちゃんは掌をヒラヒラさせて暗闇の中に消えていった…。
フラフラする体を支えきれずに、私はその場に崩れた。
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