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「…奈穂お姉様?
何か話す事無いの?」

「…そうだ、髪、切ったんだね」

私よりは長いけど、香奈のセミロングな髪は、8年前は足に届くくらいに長かった。

「昔は…ね。
長い方が霊力が強くなるって言われて伸ばしてたから」

「お母様に…よね」

「お兄様に追い付く事が、夢だったから」

「そう……」

「………」

「妹達、もう話す事は無いのかな?」

隼人お兄ちゃんが間に割って入ってきた。

「そう…ね。
こんな所で悠長に話している暇なんて無いわね」

そう言って、私と同じ顔をした香奈が剣を構える。
私の蒼剣と同じ形の剣を。

「伯爵に特別に作ってもらったの。
私は、奈穂お姉様を倒すために、ここに来たのよ」

「…っ!?
どういう事?」

「伯爵様の命令なの。
所詮、双子といっても私達はアクマとエクソシスト…。
戦い合う運命にあるのよ」

「そんな…そんな悲しい事…!!」

「そうかしら?
もうずっと前に死んだ私は、今奈穂お姉様に殺されても同じじゃない」

「違う…」

「何が違うっていうの?
私はアクマなんだから、殺人衝動くらいならあるわ」

「違…!」

「違わない」

冷たく言い放った香奈は、蒼剣に似た剣を奈穂の首元に突き付ける。

「さぁ、私と戦いましょうよ!」

…どうすればいいの?
相手は確かにアクマ。
でも、私のたった一人の双子の妹よ!?

エクソシストなんだから、倒さなきゃいけない…。
でも…。

先程からの香奈の言葉に、私の心は押し潰されそうになっていた。



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あきゅろす。
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