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「そうだよ、僕らの妹・香奈だ。
こっちにおいで?」

白い着物を来た香奈が、袖を揺らしながらゆっくり近づいてくる。

「な…んで…?
生きてる…の…?」

「久しぶり、奈穂お姉様」

「あ…久しぶり」

「双子なのに、ゆっくり話が出来るのはこれが生まれてから初めてなんてね…。
お姉様の事を詳しく知ったのは、私が生き返ってから。
お姉ちゃんは知ってたんでしょ、私の事?」

「…知ってた」

「…狡いわよね。
…いつもそうよ。
両親揃って、私に本当の愛情を見せてくれた事なんて無かった!
そんな事を言ったら本当に見捨てられてしまいそうで、割り切ってたけど…。
お姉様の方にばかり付きっきりだったんだ!」

「………」

「霊力だって、お兄様が優れてて、私なんて眼中に無かった。
いつも、私は後回しで…。
本当に、奈穂お姉様は…狡い」

…何も言えなかった。
私が幽閉されて苦しんでいた時に、香奈もこんなに苦しんでいたなんて…。

「でも、もういい。
どうでもいい。
私は、アクマになって生き返ったから」

…アクマ!?

「そんなにびっくりする事じゃ無いよぉ〜?
奈穂の目が覚める前に、隼人が香奈を呼んだんだぁ♪
そしたら、隼人ってば魔導式ボディの動きを封じちゃってさぁ〜。
その強力な力を見込んで、伯爵にスカウトされたってワケ〜」

「あの時はただ、戻ってきた香奈が苦しんでて…。
僕の体を明け渡す事も、壊す事も出来なかっただけ…」

「まぁ結局、香奈はそこら辺にいた他人の皮を被ったんだけどぉ〜」

「他人じゃない、母様の体に、入れたんだ…。
今、香奈が香奈の姿でいられるのは、僕の力のおかげ」

「(…頭痛くなってきた。
色々とありすぎ…)」

「じゃあ、ここからは兄弟水入らず会話がしたいだろうからぁ、僕は戻るね〜。
そこの人も戻ろっか」

「あ…ユウ、久しぶり。
会えて嬉しいんだけど、戻ってくれない?
…バイバイ」

「それに、外で悪戦苦闘してる奴らがいるよ〜。
助けた方がいいんじゃな〜い?」

チッと舌打ちしたユウはそのまま姿を消された。
ロードは扉を開いて、出て行く。



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