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私を呼ぶ声が聞こえる…。
……ユウ?
お願い、そんな悲しそうな声で私を呼ばないで…。

「香奈…!?
目を覚ませよ、香奈…っ!!」

「もう…ユウ…」

目を開けると、真っ暗な世界の中で、心配そうに私を見つめる人がいる。

「ここ、どこ…?」

「分からない」

「ロードに特別に作ってもらったんだよ」

急に声が聞こえてきて、驚いて振り返る。

「隼人お兄ちゃん…?」

「やぁ、愛しき僕の妹君」

間違いなく、そこにいるのは私の兄。

「今日はゆっくり話がしたくてね。
邪魔な人にはご退席してもらいたかったんだけど…まあ、ユウ君なら良いかな?」

「私はお兄ちゃんと話すことなんてもう無いわ!!」

「酷いなぁ、ガラスのハートが傷ついちゃうよ〜…」

「おい、もしかして、話って香奈についてか?」

はっと気付いた。

「ピーンポーン!
そろそろ、今まで隠してた事を話そうかな、と思って」

…知りたい。
自分についての事が、何でも知りたい!
どうして、急に記憶が戻ったり、それが中途半端なのか。

「まず、"香奈"は君の名前じゃなくて妹の名だ、って言ったね?
実は、君には双子の妹がいて、その子の名前が"香奈"なんだ。
そして今、君が思い出している記憶は、その香奈の記憶。
君の記憶じゃない」

一気にショックが訪れた…。



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