2 2人が消えた瞬間、私達がいる部屋の崩壊が始まった。 「アレン! リナリー! ミランダ!」 皆のもとに行こうとするが、床が崩れて思うように動けない。 「あっ…皆…っ!」 部屋の床から下に落ちてゆくと、今までいた部屋の容貌はまるでプレゼント箱のようだった。 あの部屋はロードの能力だったのか…。 ふと気付くと、今度は普通の部屋の中にいた。 「アレンくん!香奈! 来て、ミランダの様子がおかしいの!」 隣の部屋からリナリーの声が聞こえてきた。 アレンは私と同じ部屋にいて、一緒に走っていく。 「2人とも…」 リナリーに抱えられているミランダの汗が半端じゃない。 「武器化されていないイノセンスが、ミランダの体に負担をかけているみたいなの…」 「ミランダさん…発動を止めてください」 「ダメ…止めようとすると…」 周りを囲んでいた時計が私達のもとに寄ってくる。 「吸い出した時間が戻るみたいなの…。 あんな傷がもう一度戻ったら……。 ありがとうって言ってもらえたのに、これじゃ意味が無いじゃない…!」 「ミランダさん…。 大丈夫、自分の傷は自分で負います。 これでも僕は丈夫ですから」 「そうよ? だからお願い、発動を止めて?」 「生きていれば、傷は治るんです。 (……傷は、残るけれど)」 そして、涙ながらミランダは発動を止めた。 ミランダも、イノセンスが暴走してしまったのね…。 私と同じね…私も、暴走して人を… …待って、本当に同じだってどうして確信できるの? 今思い出してきているこの記憶、私のじゃないって…。 隼人お兄ちゃんの言う通りなら、私は…。 私は、一体誰なの…? . [*前へ][次へ#] |