1 次に目を覚ました時、時計の模様で埋め尽くされた丸い空間の中にいた。 「ここは…?」 私はリナリーと一緒に椅子に座り、それぞれドレスを着ていた。 「この服は…?」 目の前には、無傷のアレンとミランダが。 「あれ…アレン、怪我してなかったっけ?」 「ミランダさんがやっぱり適合者だったんです。 この球体はミランダさんの能力で、そのおかげで僕たちの傷が治ったんです。 そうだ、ありがとう、ミランダさん!」 最後の言葉はミランダさんへ向けて。 そして今の状況を説明され、私たち3人は勢いよく外へ飛び出した。 「ねぇ、アレンくん。 あの子、劇場に来た子よね? …アクマ?」 「…違います」 「…そう」 「…ねぇ、アレン… あの男の人は…アクマ?」 「…アクマじゃないです」 「…隼人お兄ちゃんだ…」 「え、あの人がですか!?」 私と同じ鳶色の髪と目、髪型は少し天パみたいにくしゃくしゃしている。 この前会った、私のお兄ちゃん…らしき人。 蒼剣を構え、ダッシュで詰め寄る。 相手も刀系の武器を出し、刀身がぶつかって火花が散る。 「ドレス似合うじゃん。 それ、僕が見立てたんだよ? 前から少し話してみたかった…僕の妹」 「名前…私は香奈じゃないって…どういう事!?」 「まだ知る必要は無いって言ったでしょ? 時期が来れば、きっと自然に思い出すよ」 「じゃあ、香奈を思い出すって!?」 「それも同じく。 ただ、君は香奈じゃない…それだけは言っておくよ」 「何よそれ…私は中途半端な気持ちのままなのよ!?」 「おーっとぉ? 僕に構ってても良いのかなぁ?」 指で示された方向を見ると、アレンがアクマに突っ込んでいた。 傘が何かをカウントしており、もうすぐで零になる。 ロードの話からそのカウントがアクマの自爆への秒読みだと分かった。 何も動けずにいると、零になった瞬間、凄まじい爆発が起こった。 アレンは危機一髪のところでリナリーに助けられた。 「…話をそらさないで!」 「あれぇ、ロードってば何か楽しんでるしー」 「話を聞いてよ! 隼人お兄ちゃん!!」 「あははははー。 …名前で呼んでくれて嬉しかったよ。 でも、今日はここまで。 また会おうね、可愛い愛しの妹…」 「あっ…」 さっ、とロードの隣に行ってしまった。 一方のロードは、アレンに銃口を向けられている。 「アレンは優しいんだからぁ〜」 「ロードを殺せるとでも思ってるんかな?」 ねぇ〜と笑い合う2人。 「また会おう〜? アレ〜ン」 そうして、2人は扉の向こうへと消えていった…。 . [次へ#] |