1 ラビが入団した当時――― 「なぁ、リナリー…?」 「なぁに?ラビ」 少年よりも前方を行く少女が振り向いた。 「どうかしたの?」 「いやさぁ、さっきのパッツンって誰…?」 「あぁ、神田の事?」 「神田ってゆーの? あいつ、前髪がパッツンなだけじゃなくて、性格もツンツンしてんのな」 「…神田にもちゃんと良いところはあるのよ?」 ただ…、と話を続けるリナリー。 「とっつきにくい所があるから、優しく接してあげれば、いずれは心を開いてくれると思うわ」 「絶っ対、嫌さぁー!」 ラビがムンクの叫びのように思い切り叫んだ。 「あんなやつ、あの性格のまんまだと彼女作れないさ! 根性叩きなお…」 「あ!!」 いきなり叫んだリナリーは、ラビをビックリさせた。 「ど、どうしたさ?」 「神田、私の知る範囲で1回は付き合った事があるわよ?」 「ま、まじで…!? どんな物好きさね?」 「可愛い女の子よ…」 . [次へ#] |