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急いで教団に戻った神田が室長室に飛び込み、机の上でうたた寝していた奴に詰め寄る。

「どういう事だ!」

「…おかえり、おはよう、神田君。
帰って早々賑やかだね」

「香奈が、…死んだ、って…!」

「…残念だよ…」

?…こいつ、泣いてた?
バレないように寝てるフリしてたのか。

ちっ…

「どこだ…、一緒にいた探索班はどこだ!」

「わ、私でございます!」

まだ室長で報告中だったのか、近くにいた。
15歳の子供相手に、大の大人が少し震えている。

「その時の事を詳しく話せ!」

「は、はい!
香奈様がアクマを殲滅されたと思われた時、一体残っていたアクマが…香奈様…を…後ろから…」

ひっく、と探索班も泣き出してしまった。

「じゃあ何でテメェ達は生きている?
そのアクマに殺されてるはずじゃないか!」

「砂となって倒れる直前に、爆破してくださいました…。
その爆風で、砂と化した香奈様も吹き飛んで…」

「持ち物や対アクマ武器は?」

「…何も、見つかってません…」

「じゃあまだ生きてる。
きっと『鏡』やら『霧』を使ってどこかに逃げて…」

「神田君」

いつになく真剣な眼差しで、神田が続けようとした言葉を遮った。

「そんな風に、故人を蔑むような真似は…」

「黙れ!!」

室長室から出て行こうとする神田。

「神田君の気持ちは分かるけどね、みんな同じ気持ちなんだよ…」

その部屋に居る科学班員、探索班員、それにリナリーが、涙を浮かべる。
リナリーはやっと泣き止んだところで、目が真っ赤に腫れていた。

「いくら辛くても…運命を受け入れなくちゃ」

「オレは信じない。
香奈は絶対に生きてる。
俺はずっと香奈の帰りを待ち続ける」

それだけ言って、室長室から出て行った。



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