9 目の前に広がる世界は、どこもかしこも死体の山で埋め尽くされていた。 その中には、お母さん・お父さん・隼人お兄ちゃん…。 生き残っている人なんていなくて…。 こんなにも多くの人を殺したのかと思うと、鳥肌が立ち、叫ばずにはいられなかった。 「イヤアアアァァァッ!」 そうして混乱したまま元帥に連れられて、教団へと来たのだった…。 あの日の事を思い出していたら、いつからか流れていた涙を止める事が出来なかった。 「そう、だったんだ…」 あの日の記憶がはっきりと戻って来てからは、呆然としたまま。 引っ越す日からあの日までの記憶が未だ戻らない事には、気にも留めていなかった。 それから、呆然としたまま、探索班が案内するままに任務地に赴いた。 イノセンスは無く、群がっていたアクマを殲滅させるだけ。 その時、急に探索班の一人が叫んだ。 「香奈様っ!! 後ろっ!!」 ―――ガチャコン 振り返ると、残っていたレベル1のアクマが銃を私に向けていた。 ――ドンッ…!! 神田は、任務が終わって帰るところだった。 その時、探索班が神田のもとへ。 「神田様、今本部から連絡がありまして―――」 . [*前へ][次へ#] |