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でも…。

「私、またエクソシストとして戦えるんだ…っ!!」

嬉しさのあまり、下りていた階段を一気に飛び降りる。

一緒に渡されたベルトを、今着ているズボンに通し、武器をぶら下げてみる。

「わぁい、なんかカッコイー!」

そういえば、日が傾きかけているというのに、まだ昼食を食べてない。

「早いけど…夕食も兼ねて、食べにいこっかな」

そのために、渡された書類と武器を置きにまた部屋に戻る。

警戒しながら入ったが、ラビはもういなかった。

だが、代わりに中にいたのは…。

「香奈!!
遅いわよ!!」

「り、リナリー!?
どうしてここに…」

「いいから、つべこべ言わずにこれに着替えて!」

「え?なんで…って、嫌!着たくない!!」

「そう言うと思った。
だから、着替え終わらなかったらここから出さない。
いつまで経っても食べられなくてもいいの!?」

「う…」

仕方がない…意を決して、着替える。(リナリーを外に出して。)

だって…ミニスカ!!

今まで極力スカートははかなかったのに…。

足出したくないのに……。


そして、着替え終わると手を引かれて大急ぎで大広間に連れていかれた。

そこでは…。

「おかえり、香奈!!」という段幕が飾られ、輪っかなどで賑やかに飾り付けられていた。

全ては科学班の人達の画策による、帰還パーティー。

私が到着したのがわかった人達の口々から、「おかえり」や「退院おめでとう」などの言葉を貰った。
ジョニーが松葉杖をつきながら、私の元に来た。

「パーティー楽しんでね!
ノアのより教団のホームに戻って来てくれたんだ、って皆喜んでるから!」

じゃあね、と言ってジョニーが行き、リナリーも誰かを見つけて行き、私の周りから人がいなくなったとき。

涙が溢れていた。

色々な意味の涙。

皆に喜ばれたなんて初めて知ったのと、こんなパーティーを開いてくれた事への嬉し涙。

そしてもう1つは、嘘をついている気分だったから…。
私の中にはまだノアが住んでる、って言えないから。

苦しさの涙。

そうやって泣いていると、どこからかユウが来て、馬鹿にしたように髪をぐちゃぐちゃにして。

あははっ、と少し笑ったが、心の中では乾いた笑い声だ、と思った。



嗚呼、神様!!

私に力をください。

ノアの心に絶対的にうち勝つ力を。


嗚呼、神様…。

私はいつまでもノアに堕ちない…あなたを呼ばない。

そう、お誓い申し上げます…。



《完》



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