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「な…なんで…」

「何で知ってるのかって?
私は一時期ノアだったから。
話題で何度か出てたの」

「そう…だったんですか」

ちょっと、ショック受けてるのかな…?

でも、事実が知りたかった。

「その…14番目については何か知っているんですか?」

「アレンとの繋がりとか、そういうアレンが知りたいであろう事は知らない…」

「そうですか…」

「でも、14番目のノアの子が、伯爵を裏切って方舟を江戸から動けなくしてしまったという事だけは…」

「僕が、ピアノを弾いて操作した方の方舟の事ですね」

「伯爵はそれで14番目を殺したんだって。
その前に、14番目は誰かに方舟を操る"奏者の資格"を移したって話」

「じゃあ…それが…僕…?」

「そうかな…って。
ショック?」

「そりゃあ…ノアから得体の知れない能力を与えられていたなんて…」

「それも知らない間に、なんだよね…」

重々しい空気が辺りを包む。

「…ねぇ、まさか…アレンはノアにはならないよね?」

「え…!?
それは…」

「私は、双子の姉に力を移されてノアに覚醒したから…もしやと思っただけなの!」

「…絶対になりません。
僕はエクソシストですから」

また、いつもの笑顔を見せるアレン。

「気をつけてね。
私は…心の奥に人がいて、いつまた私をノアにできるのか虎視眈々と狙ってるんだ」

「!?
それって…」

「夢の中で話し掛けたりもしたし」

さすがに、神だとは言えない…。

すると、暗い顔をしてアレンが口を開いた。

「僕…鏡を見ると、僕の後ろに誰かがいるんですよ…。
他の誰にも見えない、誰かが…」

「それは…14番目からの能力が意識を持ったとか?」

「よく…分かりません。
方舟でピアノを弾いてからなんです…!」

「…そ…か…。
ま、気にする事無いって!
話し掛けられたら、よく話し合えば良いじゃん!」

「あはは…それはそうなんですけど…」

「大丈夫、アレンは強いから!」

「そう…ですかね」

「うん、頑張って!」

あぁ、やっぱり、話して正解だった。

さっき、団員の人達がひそひそとアレンについての悪い噂話をしていたから。

孤独感を感じてないかな…って思って、一人じゃないって事を言っておきたかったんだ。

…いや、私自身、一人じゃないんだって思いたかったせいもあるのかもしれない。



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