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「はぁ…っ…はぁっ…はぁっ……」

走って、走って、疲れても足を休める事なく走り続けて。

手近なところから隅々まで探していると、とある廊下を歩いているユウを見つけた。

「……ュゥ…ッ…」

後ろから飛び付いて、その腕に巻き付いた。

「…急にどうした」

「…さっきはごめんね…っ。
久しぶりに話せたっていうのに…」

ふーっと息を吐いたユウは、私の腕を振りほどいて抱きしめてくれた。

ここが人気のない場所じゃなかったら、こうしてくれなかったかな?

「別にそんなには怒っちゃいねぇよ」

「でも…、急にユウの態度が変だったし…っ、このまま何処かに…って考えると…」

「んな事あるわけねぇだろ。
行くにしても、香奈も一緒だ」

「そう…だよね…」

ほっとしていると、ユウは私の顔を上向きにしてきて。

私はそのままの流れに任せようと思って、目を閉じた………が。


「んな…な……っ」

……またもや、邪魔が入った。

「何してるんですか、こんな所で!」

「しっ、リンク!
邪魔しちゃダメですよ!」

「ウォーカー、これだから教皇の下で働く君達の行動には自覚が現れていないんだ!」

「それとこれとは別です!」

「あのー…アレン…」

もうバレてるから。

隠れようとしても無駄だよ。

「ちぇーっ、リンクのせいで覗けなかったさ〜」

「まったくですよね」

「ラビ…アレン…まったくだ、って思っているのは私の方だと思うけど?」

「香奈、目が覚めて良かったですね」

……話、聞いてないんかい!

「今から、オレらで見舞いに行くとこだったんさ。
ほい、これ、花束」

「わ…ありがと…」

つい、と渡された花束は見舞品にしては大きいな。

その花束に気を取られて、ユウの事を忘れていたので…。

振り返ると、物凄い形相でラビとアレンを睨んでいるユウがいた。

「……お前ら、今すぐ三枚におろしてやろうか」

六幻に手をかけていたので、必死にそれを止める。

「ちょっ…やめっ…!」

一日に2回も、となると、勘忍袋の緒が切れたのだろうか。

わーわー騒いでいる内に、4人でユウを取り押さえた。



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