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学校が休みでお兄ちゃんが神社の手伝いをする日に、2人は会っていた。

「それでね、ユウったら思いっ切り顔面で転んだのに泣くの我慢するもんだから、そりゃあ可笑しくって!」

「へぇ。

香奈って、その神田ユウって子が好きなんだ?」

「えっ…!?そっ…」

香奈の顔が一瞬で真っ赤になる。

「隠さなくても良いのに。
双子なんだから、もう察してるけど?」

「う…実は…」

「恋って良いねぇ〜」

「………」

「もしかして私の事、気にしてる?
私は奥手だから、もう少し後で恋はするから良ーのっ!」

「…そう?」

「もちろん!
で?告白しないの?」

「きっとユウは私の事嫌いだから…」

「…その子にどんな事してるか知らないけど、素直にならなきゃ、思いは伝わらないよ?」

「そうだよね〜…」

「頑張って!」

「うん、頑張る!」



そんな事も話していて、楽しかったね。

でも、あの日…。

2人がもう9歳になった時。

同じく、休日で兄が手伝いをさせられていた日。

会った2人は一緒にお昼寝をして、何故か同じ夢を見たのだ。



「香奈…」
「奈穂…」

「これは…夢?」

「夢だって分かる夢って、見たことある?」

大体は、それが夢だと分からないのが夢。
でも、それが分かる…。

「香奈…怖い…」

「奈穂、大丈夫、私がついてるから…」

そうも言ってはいられない状況だった。

辺りが霧に包まれた、真っ白い空間では、何も見えない。

奈穂が香奈の背後に隠れるようにしていた。


その時、誰のものか分からない声が聞こえてきた。

「双子…私の声が聞こえるか」

「!?」
「誰っ」

「私には名前は無い。
人間によって付けられた名前などは、名乗っても通じないであろう?」

「何者なの!?」

「神…とだけ言えば分かるか。
今日はお前等に話があって会いに来た」


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