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「このくらいの傷なら、まだ直せる…」

傷の付いた卵を撫でるルル=ベル。
…良かった。
…?

「ねぇ、卵のあそこの部分、何か変じゃない?」

私が指摘したところには、白い塊が。
徐々に膨らみ、それと共に卵にヒビが入っていく!

「アレンのクラウン・クラウンだ!」

「やめろ!
これ以上ヒビが入れば…!」

ルル=ベルの声が悲痛に聞こえる…。

「やめろって言ってるでしょう!」

「…敵同士なのに、やめる筈ないじゃないですか」

「くっ…」

剣を構え、アレンに襲い掛かるが、その時には卵から離れていた。
その腕にはミランダが抱かれている。

「待て!!」

上空を目指すアレンを追い掛ける。

「奈穂!
もうゲートは閉じ始めてる、危険だ!」

「アイツを捕まえる事も、私の仕事なの!」

お兄ちゃんの言うことにも耳を貸さず、ただただ怒りと憎しみが私を突き動かしていた。

―――ザパァッ

アレンのすぐ後に地上に出た。
その瞬間、扉は閉じた。
もう、こちらからは戻れない。
向こうから迎えがないと…。

それまでに、アレンを捕まえてやる!

一方のアレンはと言うと、ミランダをブックマン達の元に預けていた。

「奈穂…」

「一緒に来てもらうわ、アレン。
千年公の命令なの」

「それは…従うわけにはいきませんね」

「なにも、従ってもらおうなんて思ってない。
力ずくでも連れていく…!」

剣を振りかざし、アレンの元に詰め寄る。

「…やめてください、奈穂は今でも僕の仲間です!」

ステップをとって、後ろへと下がるアレン。

「笑わせないで、私はノアなのよ!?」

再度切り付ける。

「それでも、一緒に戦ってきた仲間じゃないですか!
その記憶は消えない…!!」

「じゃあ私が消してあげる!」

剣を振るう。
ノアには退魔の剣が有効な筈なのに、アレンはただクラウンクラウンを発動しただけ。
やはり、私と戦う気は無いのか…。
別に、好都合だけど。

「私には、卵をあんな風にさせた事への恨みもあるの!」

真正面に剣を振り落ろし、アレンが左手でそれを止める。
右手のクラウンベルトを周りの柱に巻き付け、宙を浮いて逃げ出す。

「私から逃げることなんて出来ないよ!」

龍の幻を出現させ、それに乗ってアレンを追い掛ける。
いたちごっこのようになっていた私達だったが、急に他の誰かが介入してきた。



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