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「…これまでか…と、でも言うと思った?
はは、馬鹿らし」
「!?」
"私"は不気味に笑い出して、姿を消した。
「こんな事もあるだろうと思ってね、本体が分からないようにしてるの。
気付かなかった?
あぁ、もうどれが本当の私か、分からないか」
「じゃあ、こうしたら?」
クロス元帥が、四方の"私"に銃弾を放った。
追尾型なので、全部消されてしまう。
…うっそぉ…。
「たいていの人間は決めゼリフを言いたがる。
とすると、お前が本体だろうな。
で?
もうこれで終わりか?」
―――ジャキッ。
私の頭に銃口が向けられた。
…もう、死ぬの…?
「鉄よ、盾と化せ!」
すると、お兄ちゃんによって私とクロス元帥の間に鉄の壁が出来上がり、私はその一瞬を見逃さずに逃げた。
「ありがと、お兄ちゃん!!」
「あぁ!」
次に、隼人お兄ちゃんの攻撃。
…大きいのを打ち込む気だ。
「氷粒爆!!」
先程の攻撃の氷より多くの氷が打ち込まれ、エクソシストの元で爆破。
中に爆薬でも混じっていたのかと思えるほど、大きな砂埃と光線が辺りを包み込んだ。
「わぁ…凄まじいですねぇ…」
もしも全力を発揮したら、どれ程の威力になるんだろうか…?
隼人お兄ちゃんと一緒に、ルル=ベルの元に近づく。
「感謝する。
私だけでは守りきれなかった」
「まぁまぁ。
で、ミランダの能力は止められないの?」
「大丈夫だ、もうすぐで止められそうだから」
ルル=ベルの言った通り、ミランダは気を失って対アクマ武器が停止し、卵が方舟に入り始めた。
その時…。
「そう簡単に卵を伯爵に戻さないぜぇ〜?」
元帥達が砂埃の中から姿を現し、戦闘体制をとったのだ。
…卵を破壊しても良いとでも言われたか?
だとしたら、ヤバイ。
「鋼鉄の硬さを持つ盾よ現れろ!」
卵と元帥の間に壁を作る。
隼人お兄ちゃんも、床を材料に使って壁を作った。
「お願いだから、保ってよ…!!」
私達は壁を保ちながら卵の上に乗る。
壁で防ぎきれない攻撃で、卵に傷が増えていく…。
「早く…入って…っ!」
最後に元帥達がデカイのを撃ってきたが、ギリギリのところで方舟の中に入ることが出来た。
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