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外では、水に姿を変えたルル=ベルとエクソシスト達の戦いの最中だった。
アレンから説明は聞いていたのか、私を見ても驚く人はいなかった。
ただ、マリだけは悲しみの顔をしている。
ミランダはルル=ベルに捕まっており、水の中で息が出来ずにもがいている。
さて、エクソシスト達が卵の破壊を目的にしているのだと分かったので、まずはその邪魔に入ろうか。
「卵への攻撃を止めろ!!」
2人で仁王立ちし、エクソシスト達の攻撃を食い止める。
「それぞれの苦手とする者の幻覚を見せ、集中力を無くせ」
直接の攻撃にはならないが、それぞれの目の前にうっすらと影が現れ、攻撃の削減を計る。
「我が化身を表せ」
私の背後からうじゃうじゃと十数人の"私"が現れ、幻覚に困惑するエクソシスト達に襲い掛かる。
お兄ちゃんを見ると…ちゃんと戦っている事に、驚いた。
「床よ、溶けて液体と化し、者どもの足を捕らえよ」
コンクリの床は簡単に溶け、エクソシスト達を捕まえようと奇妙に動き出した。
「水蒸気は氷の槍と化し、突き刺され」
目に見えない霧が集まって形作られ、エクソシストの周りに纏わり付いた。
「…お兄ちゃんも、やるね」
「褒めてくれるの?
ありがとう。
…!!」
急に隼人お兄ちゃんの顔が凍り付く。
「奈穂、後ろ!」
振り返ったが、既に遅く…。
「女の子を怪我させるのはオレの気に障るが、仕方ねぇな」
飄々と目の前に立つクロス元帥が放った弾が腹部に命中したのだ。
続けて、何発も。
「…くそっ…!」
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