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「こんにちワv
やっと会えましたネ、ノアとしてv」

「お久しぶりです」

前にも来た部屋。
伯爵と会うのは、なんだか懐かしい気がする。

「隼人はもういいです、外に出ていてくだサイv」

「はいはーい」

お兄ちゃんが退席した。

「奈穂には、奈穂のノアについて話しておきマスv」

「私の、ノア…?」

「隼人のノアは『変化(へんげ)』、奈穂のノアは…『幻(まぼろし)』デスv」

幻か…鏡とか霧みたいなものかな。

「ところで、ノアの洪水については知っていますカ?」

「地球上が水で溢れ、ノアの一族だけが方舟で助かった、ってやつですか?」

「ハイv
ですが、考えてみてくだサイ。
この地球上で、そんな膨大な量の水が突然発生できると思いますカ?」

「…幻、ですか」

「そうです、奈穂の力で見せた、幻覚なんデス」

地球上に発生した水は、私の前世のノアが起こした幻…。

「大いなる力が仲間に増え、私としては嬉しいかぎりデスv
私と一緒に、地球の終焉を目指しまショウv」

「これから、よろしくお願いします、千年公」

私のノアのメモリーが思い出されると、とても心の中が暖かくて心地よい…。
一方、イノセンスとエクソシストに対する恨みや憎しみは、とても根深く私の中に居座った。
エクソシストとして生活してきた今までの過去に対して、拒絶反応を示すくらいに。

教団の皆が、とても憎らしかった。
もう、敵としてしか見られない…いや、本能的に敵だと見てしまう。
仲良くしていた人達でさえも、今では忌み嫌うほどに。

私は、ノアだから。
当然の事だね。



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