[携帯モード] [URL送信]
天使と野獣
三人の乗る車が到着した時、そこは既に火の海だった。
「壊滅状態じゃん」
「一人でマフィアの本拠地を潰してしまうなんて、やっぱり化け物ですね」
炎の前に立つ男は待ちくたびれたと言わんばかりに苛ついた様子で大声をあげた。
「お前ら来るのが遅ぇんだよッ!!」
「って言うか、お前、何で俺らが到着するまで待ってらんねぇの?」
後部座席に乗る男が内から扉を開くと、広い敷地内を壊滅させた怪物は文句を言いながら車に乗り込んだ。
「ところで、リュウくん。その子は誰かな?」
匡志は隣に座ったリュウの腕に抱かれる全裸の少年を覗き込んだ。
少年は全裸でなければ男子と判断が出来ない程に可愛らしい顔で身体が小さく、とても華奢だ。無防備に野獣の腕の中ですやすやと寝息をたてている。
「寝てたから連れてきた」
「連れてきたって……」
匡志は自分の着ているジャケットを脱いで少年の身体にかけてやった。
「確かここのボスが何人かの少年を囲っていたという情報がありましたが」
助手席に座る奏が資料を匡志に手渡した。
「保護したのはその少年だけか?」
車を走らせながら佑也がミラー越しに少年を見る。
「はぁ!?知らねぇよ。寝てたのはこいつだけだ」
リュウが見下ろして言うと、少年が突然パカッと目を開ける。視線が合うと、翠緑の瞳で真っ直ぐにリュウを見つめ返した。
「すげえ、リュウのこと直視してるよ」
匡志が言うようにリュウに視線を返す人間は珍しい。大抵の人間はその顔に恐れおののき目を逸らすからだ。
少年はふにゃっとした笑顔を見せると、リュウの胸に顔を擦り寄せてまた眠りに落ちた。
「可愛いなァ。まるで天使みたいだ」
匡志はその仕草にほわんとした気持ちになり顔を綻ばせて少年を見下ろした。頭の上から突然リュウの声が降ってくる。
「あァ!?」
「どした〜?」
まだ緩んだままの顔をそちらに向ける。
「勃起した」
「お前ね…何なの?」



時代は大きく流れ、星間を行き来することも日常になり、多種多様な星の人間が混住するようになった。それに伴い宇宙人犯罪も増加の一途をたどっている。そんな宇宙人犯罪を取り締まる宇宙犯罪取締機構『Space security CROW』約して『SC』が設立され、そこでは特殊能力を持った戦闘員をはじめ、全宇宙で選りすぐられた各方面でのエキスパートが集まり、日々凶悪化する宇宙人犯罪を撲滅しようと闘っていた。



電子音をたてて自動扉が開くと、雑誌モデル顔負けのイケメン青年がかったるそうに欠伸をしながら部屋に入ってくる。
彼、那岐匡志は亜麻色に染めた長めの髪をかき上げ、窓際のソファに腰を下ろすと、テーブルに置かれた雑誌を取って開いた。暫く紙面に目を泳がせていたが、ふと思い出した様に軽い口調で声をかけた。
「リュウくん、聞いた〜? 今日から新しいメンバーが入るらしいよ。」
声をかけられた男は獅堂リュウ。無造作に伸びた癖のある黒髪に浅黒い肌。長めの前髪から覗く眼が鋭く、強面だが顔立ちは整っている。
リュウは散らかった机の上に足を乗せて背凭れに身体を預け、耳をほじっていた。
「はァ? そんなの足手まといだ。要らねぇよ」
リュウは耳から抜いた指に息を吹きかけ、さして興味なさ気に返事を返した。
「リュウさんがそれを言うんですか?」
リュウの向かいで先程から何やら懸命に書いてる少年が、顔を上げて目の前の横柄な態度の男を恨めしそうに見て言った。
その少年、彩乃奏は艶のある癖のないサラサラヘアに白い肌。男にしては綺麗な容姿はまるで少女漫画から抜け出た王子様さながらの美少年だ。
「奏、どーゆー意味だ、そりゃあ?」
リュウの睨みをものともせず、奏は「そのままの意味です」と笑顔を返した。
「この始末書の山は何かなァ、リュウクン?」
匡志はソファから離れ、リュウの横へ来ると、リュウの机と奏の机の上にごちゃごちゃに散乱している紙の山を指差した。
「これで勤まっていると言うのかな〜?」
「そうですよ、これ、俺にばっかりやらせないで自分で書いて下さい」
奏も匡志に賛同して、ここぞとばかりに抗議する。入隊して以来、チーム最年少である彼は、無理やりリュウに押し付けられた始末書の処理に追われる日々を送っていた。
「何言ってやがんだ、俺は仕事を遂行したまでだ!」
胸を張って言うリュウに匡志と奏はやれやれと肩をすくめる。
我関せずと言った風にリュウの隣でパソコンを操作していた時雨佑也が大きな溜息を零して手を止めた。
佑也もまた眉目秀麗な青年だが、感情を表さない表情は冷たい印象を与える。
「お前のやってる事は仕事じゃない。ただの破壊だ」
佑也は切れ長の目でリュウを冷ややかに見て言った。
「まったく、余計な仕事ばかり増やしやがって。とっとと始末書を書き上げろ」
「ンだとッ! てめえはいちいちムカつくんだよ」
ガルルと牙をむいてリュウが戦闘態勢に入ったところで入り口の扉が開く。
「リュウ、始末書は書き上がったのか?!」
顎の不精髭を触りながら中年の男が入ってくるなりリュウに声をかけた。中年と言っても身体の線は崩れておらず、均等のとれた体型をしている。
「ボス、お疲れさまッス」
「おう」
匡志が軽く敬礼して声を掛けると、男もそれに軽く答えた。
「ボス」と呼ばれた男に続いて小柄な少女が入ってくる。
肩まで伸ばした銀色の髪に翠緑の大きな瞳。その瞳に影を落とす長い睫毛。白い肌にほんのり桜色を彩っている頬。可愛いといった表現の似合う美少女だ。
少女はにこりと花のように笑って軽く頭を下げた。
「お前!」
見覚えのある少女にリュウが思わず声をあげる。そう、目の前の少女は女ではなく男、あの時連れてきた少年だ。
「驚いた?リュウクン」
匡志がにやにや笑いながらリュウの肩に手をかける。リュウはそれを乱暴に払い除けた。
「新しいメンバーだ。と言っても、お前らは全員顔馴染みだな」
「あ…改めまして琴羽愛です。宜しくお願いします」
愛は深々と頭を下げて言った。
「お…女じゃねぇじゃねぇかっ!!」
「え〜、今更そこツッコむ?噂は本当だよ。噂では女の子って言われてたの。ちーは女の子以上に可愛いからね」
相変わらず嫌な笑いを向ける匡志にリュウが舌打ちする。
「ごめんなさい。あの…女の子の方が良かった…ですか?」
愛がしゅんとなって俯くと、佑也がリュウの頭を叩いて睨みつける。
「べっ…別に、ンなことは言ってねぇよ」
項垂れる愛の姿をまじまじと眺める。
胸の奥がむずむずと疼いた。この感覚はいったい何だろう。あの日、炎の中でベッドに横たわる愛を見つけた時も同じ感覚を覚えた。
「ちーはリュウに会いたくって訓練頑張って来たんだよね」
途端に愛の顔が熱を帯びて朱に染まる。
「ばか、余計なことを言うな」
「いいじゃん。本当のことなんだから」
佑也にじろりと睨まれるが、全く悪びれる様子もなく匡志は笑って言った。
愛は恥ずかしさのあまり身の置き場に困り、小さくなって火照った顔を俯かせた。
その姿を見ているとまた胸の奥がむずむずした。リュウはズカズカと愛の前に行くと、いきなり両頬を片手で挟み顔を上向かせた。
「お前見てるとムラムラするんだよ!」
いつもながらリュウの言動には脈絡がない。だが、それに驚き慌てふためくのはボス一人だけで他のメンバーは何時ものことだと呆れはするが特に驚く様子はない。
「あ〜、成程ね。リュウの場合、一目惚れもそういう反応になるわけだ」
納得したというように匡志は頷いた。
「一目惚れだァ!?」
「惚れちまったからムラムラするんだろ?お前の感情は全部下半身に直結してるんだ」
「ふ〜ん、一目惚れね……まァ、いいか」
リュウは愛の頬を挟んだままその顔をじっと見た。
「俺はお前に惚れてるんだってよ。惚れちまってるんだから、お前は俺の好きにしていいんだよな」
何と自分勝手な言い草だろう。それをリュウはさも当たり前のように言う。思わぬ展開に何が何だかわからずオロオロしている愛の頬を解放すると、リュウはひょいとその小さな身体を担ぎ上げ、そのまま部屋を出て行った。
「ちょっ、待て、リュウーッ!!」
事の展開についていけず、茫然としていたボスがハッとなり慌てて叫ぶが、その声はもうリュウには届かなかった。



リュウは愛をベッドへ下ろすと、またがる形でその上に乗った。
「リュウ…さん?」
大きな瞳がリュウを見上げる。
「お前、俺に会いたかったって?」
「はい…あの、迷惑でした?」
「そうは言ってねぇ」
愛はほっとした様子で微笑んだ。
「あの…匡志から聞いたんだけど…研修中、何度か俺のこと見にきてくれたって……」
「ああ、まーな。俺が連れてきたって責任もあるしな」
「嬉しい。俺のこと気にかけてくれてたなんて…」
そう言って愛は頬を染めて嬉しそうに笑った。
(何だこの生き物は…)
胸の奥がむず痒い。いつもそうだ。愛を見ているとこの不思議な感覚にとらわれる。リュウは愛の頬にそっと触れた。
「お前、俺のことが好きなのか?」
愛は顔を赤く染めて小さく頷いた。その様にリュウの中で今まで感じたことのない気持ちが一気に押し寄せた。そして、気付いた時には愛に唇付けていた。
リュウは愛の唇を吸い、舌でなぞり愛撫した。愛が苦しくなり空気を求め微かに唇を開いた瞬間、すかさず舌を差し入れる。舌を絡ませ強く吸い、リュウの舌は愛の口内を愛撫して湿った音をたてた。唾液が唇から溢れ、零れ出た唾液は幾つもの筋をつくり互いの顎を伝い落ちる。唇が離れると銀色の糸がだらしなく伸びた。
愛はとろんと蕩けた表情で切なく息を乱した。
「キスしただけなのにずいぶんとエロい顔だな」
リュウは再び唇付ながら愛のスーツのチャックを開け、アンダーシャツの中に手を差し入れ胸を撫でた。
「やっぱり、真っ平らか」
雑誌の表紙を飾る美少女のような顔をしていても当然胸の膨らみはない。リュウは可笑しそうに笑って言うと、シャツをたくし上げ愛の胸を露わにした。舌を伸ばし、白い肌に映えるピンク色の小さな突起をペロッと舐めると愛の身体がビクリと揺れた。
「あ…んっ」
甘い刺激に思わず唇から声が漏れる。
「こんな小さいのにちゃんと感じるんだな」
小さな二つの粒を指で摘み上げ、その感触を楽しみながらくにくにと擦る。凝ってきた先を爪先で軽く引っ掻いて、指の腹で転がすと尖りは熟し、色付いて震えた。
「どんどん硬くなってきた。オンナみてぇなエロ乳首だな。美味そうに赤く膨らんできたぜ」
「んっ……ああぁ…あっ…」
片方は指で弄んだまま、もう片方を尖らせた舌先で突き、まるで弾き飛ばすかのように何度も激しく上下に弾く。唾液をたっぷりと塗り込めるように今度は舌を密着させて舌腹全体を押し付け舐め回した。
胸の刺激が下半身に伝わりずくずくと疼き、愛はもじもじと内股を擦り合わせ腰を振った。
「あふっ…やっ…ちんちんムズムズするよぅ…」
やがて、その刺激だけでは我慢が出来なくなり無意識に股間へと手をのばす。
「おい、勝手に触るんじゃねぇよ」
「だってぇ…やだぁ……おちんちん熱い…触りたいよぉ」
リュウは舌打ちすると愛の乱れた服に手をかけた。着ているものを全て脱がせ、自分も素早く服を脱ぎ捨てる。
リュウの鍛え上げられた筋肉質の身体には無数の傷跡が残っており、左の肩から腕にかけて炎が巻き付いたような黒いたタトゥーが刻まれている。左脇腹から左脚付け根までも彩られている同じ模様は隆起したシンボルにも刻まれていた。
(龍…黒い龍……)
快感で朦朧としてる愛の瞳にはそれはまるで龍のように見え、リュウの半身に漆黒の龍が宿っているかのように映った。
リュウは愛の首筋に唇付けると、そのまま唇を身体中に滑らせた。時々、気に入ったところを吸って赤い痕を付け、自分の印を残していく。
「お前の身体、柔らかくて気持ちいいな」
愛の脚を開かせ、内股を舐めながら中心へ向かって舌を進めた。
股間の中心では雄芯が頭を擡げ、可愛らしく震えて刺激を待っている。リュウは潤ませた先端の溝を舌先でそっとなぞった。
「ひゃうっ」
愛の身体が大きく跳ねる。
「はっ!こりゃまた可愛いチンポだな。こんなのチンポじゃねぇだろ」
リュウは蜜を掬い取るように焦らしながら溝を舐めた。
「…あ…あぁあ」
身体の奥から沸き起こる痺れに愛は身体を震わせた。
「ここ、どう弄られんのが好きだ?」
雄芯を撫でながらリュウが問いかけると愛は首を振った。
「ぴくぴく震えちまって可愛いな。弄るとどんどんぷっくり膨れてくるぜ。お前のはチンポじゃなくてクリトリスだろ。クリチンポって言うんだぜ、こういうのは」
「くり…ちん…ぽ?」
「そう。ほら、気持ちいいだろ、クリチンポ弄られるの」
リュウは愛の芯先から零れ出る愛液を塗り込めながら表面を擦った。それに合わせるようにして愛の腰が無意識に揺れる。
「ああっ…ぁ…んっっ」
「そんなに腰振ってイイのか?クリチンポ」
「気持ち…いい…クリチンポ気持ちいいよぉ」
先端の溝を指先でぐりぐりと弄れば蜜が量を増して溢れ出る。
「あっ…あぁ…」
「今日からこれは俺のものだからな。自分でも弄っちゃ駄目だぞ」
そう言って蜜口にキスをして口に含み、溢れ出る蜜をジュッと音を立てて啜った。
「あああッ……やぁ…なんか出ちゃう」
膨らんだ先に絡めるように舌を這わせながら茎の部分を激しく扱く。愛の腰が限界とばかりに痙攣し始めた。
「はッ…ふぅッ…だめ…オシッコ出ちゃ…あああぁ―――っ…!」
愛は身体を仰け反らせ声を上げて果てた。
飛沫した白い液体は口内に収まりきらずリュウの顔に飛び散った。、
(オシッコって……まさか、初めてなのか?)
リュウは唇を離すと顔を上げ、口の周りに散った愛液を手の甲で拭った。
「お前……」
「ごめ…ごめんなさい」
叱られた子供のように愛は泣き出した。瞳から大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちる。
「別に小便漏らしたわけじゃねぇ。お前、何も知らないんだな。俺はてっきり……」
マフィアのボスの部屋で全裸のままベッドに横たわっていたのだ。愛玩目的で囲われていたことは間違いないはずである。それが精通すらしていなかったとは。
「お前、こんなエロい身体して、よく今まで無事でこれたな」
「…っく……ひっく」
「おい、そんなに泣くな。今のは射精つーんだよ」
「しゃ…せい?」
「小便するより気持ち良かったろ?」
愛は涙を拭いながら頷いた。
「今度、今みたいに出たくなたら、イクッて言いな」
リュウは言いながら両手で愛の両腿の裏側を掴んで持ち上げ、その身体を二つ折りにした。
「さて、今度はこっちでイクのを覚えねぇとな」
「ひあッ」
何の躊躇もなく、光に晒された小さな蕾に舌を伸ばす。
「やっ…やぁッ……そんなとこ……」
「ちゃんと濡らしておかねぇと、辛いのはお前だぞ。いつもはこんなことしてやらねぇんだぜ」
リュウはまだ固く閉じている蕾に丁寧に舌を滑らせた。
「ぁああ…いや…ぁ……」
どうにかして止めさせようと愛はリュウの頭に手を伸ばすが力が入らない。髪の毛を掴むのが精いっぱいだ。
ヌルヌルと生き物のように這いまわる舌の感触に愛の身体はまた得体のしれない疼きに支配され、リュウの髪を掴んだまま身体を震わせた。
淡く色づいた蕾が充分に濡れそぼつとリュウは舌先を溝の中へと押し入れた。徐々に解れていく中に唾液を押し流し、孔が解れていく程に舌は奥へと侵入していく。
「やだぁ…お尻……にゅるにゅるやめてぇ」
舌先に力を入れて円を描くように内壁をくすぐってやると愛の腰はひくひくと動いた。
唾液で孔を充分にふやかして漸く舌を離した。換わりに指を押し当てて、今度は指先で揉み解しながら少しずつ固い蕾を開いていく。
「中に入れるぜ。こんだけとろとろになってりゃ痛くねぇよ」
唾液に塗れた入口を中指で突いて、ゆっくりと埋め込んでいく。
「んんっ」
受け入れた硬い異物に全身が粟立ち、愛は身体を強張らせた。それでも指を根元まで受け入れると、肉は妖しく銜えた指を包みこんだ。
暫くその感触を味わってからリュウが指を動かすと、肉壁がその動きに合わせて蠢きながら絡み付き、中のものを逃すまいと締め付けてくる。
「何だこン中。お前、本当に初めてなのか」
「んっ…んう…」
指を抜き差しする度に愛の腰が揺れる。
「あ…ああ…やっ」
もう一本指を増やし、中の肉を広げながらクチュクチュと音をさせて壁を擦る。
「あ…あぁああ……」
「ほら、痛くねぇだろ。だいぶ動かし易くなったぜ」
 少しずつ解れて柔らかくなる孔の中で二本の指はそれぞれが意志をもっているかのようにバラバラに動いた。
「い…やぁ……。お尻ぃ……ああぁあ」
指の動きに答えるように、孔の中の肉壁は蜜を零しながら妖しく蠢く。
「そろそろいいか……」
リュウは指を抜くと愛を片手で強く抱き締め、指の代わりに隆起した自分のものを小さな蕾にあてがった。
「な…に……?」
「これから俺のチンポをお前の中に入れンの」
雄々しく屹立する雄槍を愛の中にゆっくりと押入れた。
「ひっ!!」
指とは比べ物にならない程の大きなものがメリメリと肉を裂きながら押し入ってくる。その痛みに身体が引き攣った。
「ひぅ……ああ…ぅ…」
「…ッ!」
初めて貫かれる道は狭く、肉の壁に圧迫されリュウは声を漏らした。
「あんだけ解してやったのに、全然キツイわ」
肉槍をグッと強引に突き入れると身体を裂くような激痛が愛を襲う。
「ひくぅっ、ひぁっ……!」
無理やり広げられた肉が裂けて血が流れ、零れ出た愛液に混ざって肌に伝った。
「いぁぁぁぁぁ!」
頭の芯を突き抜ける痛みに愛は悲鳴をあげ、泣き叫んだ。何かに救いを求めるかのように、自分でも気が付かないうちにリュウにしがみ付いていた。
「愛……」
リュウは優しく愛の名を呼ぶと、いったん動きを止めて震えている身体を抱き締めた。
「痛ぇか?力を抜け、それじゃ余計に辛いだろ」
「大丈夫…痛く……ない…から」
痛みに震えながらもリュウに心配をかけぬようにと無理に笑ってみせる愛。その笑顔にリュウの頭の中が熱く沸き上る。
(何なんだ、こいつは。こんな生き物みたことねぇ)
リュウは昂っていく気持ちを抑えきれず、一気に腰を押し進めて愛の肉を強く突いた。
「ひっ…やぁぁぁぁぁ!!」
愛は悲鳴をあげた。。リュウの腰が前後に動くたびに、気を失いそうになる位の痛みに襲われる。だが、その痛みはしばらくすると今までに感じたことのない甘い痺れに変わっていった。
リュウは痛みを紛らわしてやるように、蜜を垂らして震える雄芯を扱いて刺激した。
「あっ…あう…んっ」
「愛、俺の名前を呼びな」
「…ぅ…りゅう……」
愛は苦しそうにその名前を呼んだ。
「愛……」
リュウが耳元で想いを込めて名を呼ぶと、愛の心が甘く疼いた。それに答えるように肉壁がリュウに絡みついてくる。キュッと締付けられリュウが呻いた。
「くッ…」
リュウは堪らず腰を激しく打ち付付けた。その動きに合わせて愛が声を上げる。
「ああぁああ……」」
腰を引いて一気に突き上げるとリュウは愛の内に全てを吐き出した。同時に愛は意識を手放した。



「リュウくん、ちょっと〜」
リュウは不気味な程にこやかに笑う匡志に呼ばれ、怪訝そうな顔で返事を返した。
「んだよ?」
「リュウくん、何時になったらちーは出勤出来るのかな?」
「知るか!だいたい何で俺に聞くんだよ?」
「お前以外の誰に聞くんだ?」
リュウは舌打ちした。
「お前が愛にエッチを強要するのは百歩譲るとして、だ。毎回起き上がれなくなるほど身体に負担かけるってのはいただけないなァ。挨拶の時に会って以来、ちーを見てねぇんだけど」
「それが何だよ?こっちはアイツ一人じゃ満足出来ねぇんだ。俺はちゃんと他でも発散させてるぜ」
「そういう問題じゃねぇんだよ。ちーが壊れちまうだろ。てめぇは馬並みなんだよ。少しはセーブしろ!!」
そう言い切ると、匡志はリュウの目の前にプラスチックのコップを差し出した。透明なコップは青汁よりももっと深みのある色の液体がタプタプと揺れているのが透けて見えている。
「なっ…何だよ、それ!?」
「時雨スペシャル!」
「あァ!?」
「これ飲むとね、一週間禁欲状態になるらしいよ。勃たなくなるんだって」
リュウの顔が青ざめる。だが、目の前の匡志は相変わらず朗らかに笑っている。
「さあ、飲みな!」
言うや否や匡志はリュウの身体を押さえ込んで、口の中に液体を無理やり流し込んだ。
「ぐえ〜っ、がはっ!おえぇぇぇぇぇ!!何だこの味は!?」
そのあまりの不味さにリュウはのた打ち回った。
「てっ、てんめ〜、匡志ィ!!」
殴りかかるリュウを軽くかわし、匡志は既に数メートル先に逃げていた。
「お前はそん位で丁度いいだろ!」
手をヒラヒラさせながら楽しそうに笑って言う。
「明日、ちーが出勤して来なかったら一生勃たないようにしてやるからな、覚えとけ!」
一見笑顔だがどす黒い何かを感じさせ匡志は言う。だが、すぐにいつもの顔に戻り「じゃあね〜」と言って去って行った。

その後、間もなくして愛は出勤するようになった。
「あれ、奏。パトロールに行ったんじゃなかったの?」
「リュウさんと愛が使用中で車出せないんですよ」
匡志の質問に奏はうんざりとした様子で答えた。
「またか…」
と、匡志は乾いた笑いを浮かべる。
愛が出勤出来るようになったのは良かったが、今度は部屋以外でも至る所でリュウとセックスをする羽目になってしまった。
「ったく、いくら絶倫ったってアイツのは異常だね。佑也が作った薬もあんまり効かなかったみたいだし」
「アレを飲んで三日で回復するとは、やはりリュウは人間じゃないな。改良の余地あり…か」
データーに目を通しながら言う佑也に匡志が両手を組みキラキラとした瞳を向ける。
「佑也さま、今度はちーがリュウを嫌いになる薬作って」
「俺はリュウさんがまともに働くようになる薬が欲しいです」
先程綺麗に片付けたはずの机にまた書類が散乱しているのを目にしながら奏はポツリと呟いた。

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!