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Re!短編
はじめまして、さようなら

 今日、私は人生最大(大袈裟すぎるかもしれないが、今の私にはそう感じるのだ)の初恋と言うモノをした。
相手はあの、風紀委員長様だ。……正直に言うと、自分でも驚いた。

何故、あの雲雀恭弥なのか自分でも分からない。
もっと他にも居たはずだ。普通な奴が…………。
山本や獄寺、沢田だって居る。

……………………それなのに、私が選んだのは雲雀だ。


「……何でなんだろうか…。」

綱「?どうかしたの?姫華。」


 独り言のつもりだったのだが、どうやら沢田に聞かれていたらしい。返事をされる。

「……何でもない。
気にしないで居てくれて結構だ。」

 ……沢田が心配してくれているのに、憎まれ口を叩くのは私の悪いとこだ。


綱「そう?

でも、姫華は悩んでるように俺には見えるけど……。」




「!!…………。」

 驚いた。コイツは、人の考えが読めるのか……。

いや、それともボンゴレの超直感と言ったところか…………。

「……良く分かったな。
そんなに私は、考えを顔に出すのか……?」

綱「あっ、違うよ。俺のカンみなたいなやつ。」

「ふうん…………。」

 やっぱり超直感だったらしいな。

綱「で、何に悩んでるの?
俺に言ってみてよ。力になれるかもしれない。」

 普段はダメツナで通っているくせに、こう言うときだけは頼りがいがある。

だから、私はコイツにも惹かれるんだ。


「……好きな人が出来たんだ…………。」

綱「そうなんだ……。」


「でも、初めてなんだ。人を好きになるのは…………。
どうすればいいのか分からない……。

沢田はどう思う……?こう言うときはどうすればいいんだ…………?」


綱「…………。告白してみたらどうかな?
そうすれば、…………気が楽になると思うんだ。」


「告白……。」

 告白か………………。

綱「うん、そう。

ほら、昔?から、あったて砕けろって言うじゃん!!
だからさ…………。」

 ……沢田は沢田で、私を励ましてくれているらしい。でも、告白か…………。

「やってみるか…………。」

 私は小さく呟いた……。

綱「頑張って。俺、応援してるから。」

 …………はずだった。
「うん。……行ってくる…………。」

 私は沢田にこう言った。
すると、沢田はふわりと笑って
「いってらっしゃい。」
と返してくれた。



―応接室―

コンコン

「あの、失礼します……。」

雲「何?何か用?

……君は確か…………。」


「沢田綱吉のクラスメイトの黒野……。」

雲「姫華。
…………でしょ?」


「っ、ハイ。」

 初めてはなし、かけられた…………。
何時も見てるだけだったから。

雲「どうしたの?」

「あ、あの。
好きです。初めて、会ったときからずっと……。」

 言えた。その時の私は、それだけでとても嬉しかったんだ。
唯、それだけで……。

雲「……ゴメン。
僕には他に好きな人が居る。だから…………。」
 舞い上がっていたからこそ、この言葉はとても重く感じたんだ……。
「そ…ですか。
……すみません、無理矢理来てしまって…………。」

雲「……別に気にしてない。」

「それじゃあ、失礼しました……。」

 ガラガラ……
バタン

 静かになってしまった部屋の中で、扉の閉まる音だけが、やけに大きく聞こえた。


……その後のことは余りよくは覚えていない……。
ハルや京子に話を聞くと、失恋したと泣いていたらしい…………、この私が。


その日私は、胸元まであった髪をバッサリ切った。……新しく心を入れ替えるためだ…。
そして私は、寝た。胸に明日からの沢田との気まずさを、どう対処するか…などと考えてみたり、明日から始まるかもしれない新しい恋に胸を弾ませてみたりしながら……。

はじめまして新しい私
さようなら昨日までの私

(あ、おはよう……沢田。)
(おはよう姫華。
あのさ……。)
(?どうした?)
(俺じゃ、駄目…………?)
(……?…………!!
だっ、駄目じゃない。)
(良かった。じゃ、これから宜しく姫華。(ニコリ))
(う、うん。(あれ?コイツこんなに黒かったか……?))




あきゅろす。
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