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小部屋。(短編)
ベランダ。
蒸し暑い日差しの差し込む教室。
長い7時限の授業が終わり、生徒たちがわらわらと掃除を始めた。

そんな中、ベランダに出てこっそりとサボる有理と和紗。

「暑いー…怠いー」

有理は、ここ数日で急にやってきた夏日のせいでぐったりとしている和紗を心配そうに見つめる。

「大丈夫?」

「ん…平気、だと、思うんだけど…」

そう言う声も、いつもより元気も頼り気もない。

そして、こんな時でないと心配する側に回れない有理は、介護する気満々のようだ。

「だと思うって…意外に体弱いんだから、ダメだよ!」

「意外って、失礼じゃね?」

軽く笑いながらも和紗は和紗で、有理を愛おしいと思う気持ちが込み上げて、場所も憚らずに抱きついてしまいたくなる。

「………り……い…」

「ん?何?和紗、聞こえない。」

「触りたい…」

弱弱しい声で呟かれて、有理は思わず腕を伸ばす…が、その手は恋人に触れることなく戻される。

「まだ…ダメ。学校だもん…」

そう言いながら儚げな笑みを向けると、和紗の温かな手に小くて華奢な手を重ね、立ち上がる。

「俺が掃除終わるまで、ちゃぁんと待ってるんだぞっ!」

「は〜い……早く…終わせ…」






◇ひとだんらく◇




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あきゅろす。
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