小部屋。(短編)
ささやかな復讐。
蒸し暑い陽気。
クラス中の殆どの男子はズボンをまくり、大胆にシャツを肌蹴させている。
俺達が通う共学でもそれは普通の風景で…事情によって空けられない俺には羨ましいったらこの上ない。
その事情とは、言わずもがな、大量の鬱血。
どこかにぶつけたわけじゃない。
和紗に付けられたのだ。
絆創膏で隠せばいい?
却下。俺はあの粘着が気に食わない。
ガーゼ?
結局暑いじゃないか。怪しいし。
そんな脳内会議の結果、毎日上までボタンをして、汗だくだくで過ごしているのだけれど、和紗が空けてるのは何っかムカつく!
元凶なんだから同じ苦しみ味わいやがれっっ!!
結論→和紗にキスマークを付ける。
勢い込んで実行した結果→俺の惨敗。
和紗は全く気にもせずボタンを空けている。
結構くっきりしてやったつもりなのに…
クラスの奴がからかえば、嬉しそうに自慢を始める始末。
俺は可愛くなんてないからな!
更に、俺自身は益々空けられなくなる。
…だって、怪しすぎるだろ。2人してんなもん作ってさ。
あぁーっ!恥ずかしいのに耐えた結果がこれなのか!
-・-・-・-・-・-・-・-
和「ぶっちゃけ、有理の隠しきれてねーけど?」
有「がっ………ま、じ…で…?」
和「マジマジ。皆知ってると思う。俺に相手聞いてきた奴居るし。」
有「な…何て言ったんだよ?」
和「秘・密」
有「っんだよそれぇええっっ!」
◇ひとだんらく◇
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