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Novels
仕事帰り

一ヶ月前と比べると結構涼しくなった。時々肌寒い、と感じる夜も多い。
それでも、毎日スーツを着込んでいる自分にはまだまだ東京の熱気には慣れない。


 『暑・・」

残業を押し付けられる前に定時を理由に会社を出る。冷房の効いたビルから一歩出れば熱気の渦。
嫌んなる、と胸ポケットから取り出した眼鏡をかけた。

 「ヤマちゃん!」

ふと懐かしい呼び名が聞こえた気がして今歩いてきたばかりの雑踏を振り返る。気のせいかと思う暇も無く、腕をとられた。

 「やあっと見つけた!会社出んの早すぎ」

 「……お前、慎吾?」


卒業以来連絡をとっていない元チームメイトが目の前に立っている。驚いてもおかしくないはずだ。
しかし相手はなんで連絡くれねぇの、と口を尖らせた。

 「だって…大学行ったら疎遠になるでしょ、普通」

 「そーだけどさ…ヤマちゃん、これから暇?」

人の話を聞いているのかいないのか判らないような切り替えしにたじろぎつつも頷く。別に帰っても何も予定はない。

 「じゃ、ちょっと行かねェ?」


聞きながらも既に肯定を前提としているその誘いに、苦笑しながら頷いた。

 「せっかくの誕生日だろ?和己たち呼んであんだよ」

 「その為にわざわざ来たわけ?……ヒマ人」




扉を開けた先には懐かしい顔ぶれ。今日だけは、数年前の自分に戻ってもいいかもしれない。







END

060916
山ちゃん誕生日おめでとう!うん、忘れてた!(爆)ほら、受験生だから(言い訳ですか)
久しぶりに他サイト様行って思い出したよ〜。後は慎吾と迅もだよね。
とにかくおめでとう!

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あきゅろす。
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