〜hot chocolate〜 7 「ひゃっ」 つぅと入口を撫でると、冷たい液体を纏った指が、ぬぷ…と後孔に入ってきた。 ぐるりと浅く、軽く、掻き回される。 「う……んっ…」 一旦、抜かれ、液体を足しまた入れられた。指も増えているようだ。足された液体の冷たさと、増した違和感に、一瞬、ヒヤリとし、身体が強張る。が、直ぐに、体温に馴染んだのか、冷たさは感じなくなった。 けれど、違和感は消えない、それどころか、動き出す事で、存在感が増す。 ぬめりのある液体の所為か、痛くはないが、イヤな感じがする。 「…う…」 挿し入れられた指は、今度は、何か探すように、腹側を、押しながら、奥へ進んでいく。 ピリ…。 「んっ!」 指先が、ある箇所に触れた。 あの一点―――。 思い出したくない、けど、忘れられない感覚が走るあの場所。堂本の指で、ペニスで、嫐られ、貫かれた時と同じ―――。 しかも、堂本と違い、掠めるのではなく、グニグニとそこを押さえ続けられる。 「あ…、そこ…イヤ…だ…」 「ココ、イイ?前立腺」 ―――ゼ…ンリツセン? 「そう、男のGスポット、だよ」 心とは裏腹に、刺激される内に、逃げるのに失敗した時、萎えてしまった陰茎が、ゆるゆると勃ち上がっていく。 ぐいぐいと、内側から押し上げられるような気がする。 「や…め…」 くちゅ…くちゅっ……。 しばらく、前立腺を押し、揉んでいた指の動きが変わる。音を立て、内部を掻き回し出す。 「う…んっ…!」 ―――な…んか…、奥が、身体の奥が……。 指は、更に、抜き挿しを加え、内部を蹂躙していく。 「…ん…あ、っ…」 息が、体温が、上がっていく。 身体の異変に、気をとられかけた。が、ふと…灯りが遮られ、影が掛かっているのに気付いた。 相田が、畳の、祐輔が横たわっている脇腹の横辺りに、空いた手をついて、顔を覗き込むように、覆い被さっていたのだ。 相田の表情から、ニコニコとずっと浮かんでいた、笑みが消えていた。 気のせいではなく、イヤな瞳で、じっと、こちらを見詰めている。 初めて出会ったモノを見る子供のような、けれど、全て見透かされそうな瞳―――。 [*前へ][次へ#] [戻る] |