〜hot chocolate〜 9 正直、ここまでする気はなかったんだけど。 けれど、見付けてしまった果実は、味を試さずにいるには、発する香りが甘過ぎる―――。 つぅと入口を撫で、ローションを纏わせた指を、後孔に差し入れた。 ぐるりと軽く掻き回す。 「う……んっ…」 一旦、抜き、ローションを足し、指も増やし、また挿し入れた。 「…う…」 今度は、探るように、腹側を、押しながら、奥へ進んでいく。 コリ…。 「んっ!」 痼りに触れた。と、祐輔の内壁が、相田の指をきゅっ…と締め付けてきた。 ―――見付けた。 グニグニとそこを押さえ続けてやる。 「あ…、そこ…イヤ…だ…」 表情には、明らかな困惑が浮かんでいる。 「ココ、イイ?前立腺」 ―――何にも、知らないんだ。 さっきも、胸を触っても、擽ったがるだけで、笑い転げる祐輔に自信を失いかけた。 けれど、直ぐに、愛撫された事がなかったのだと気付いた。そして、思った。 ―――ちーちゃんって…。 ここ最近の堂本の言動や、祐輔の反応から、ヤってないはずがないのに、祐輔は“知らない事”が多すぎる。 一体、堂本はどういう抱き方をしているのだろう。 まだ、日が、回数が、浅いのだろうが、単純に、それが問題とは思えない。 ―――それにしても、顔に出やすい。 今も、何を言われているのかわからないという表情をしている。 「そう、男のGスポット、だよ」 そう、告げても、まだ自分の身が示した反応が、理解出来てないのが、ありありと見て取れる。それでも、内部を刺激する内に、先程、萎えた陰茎が、ゆるゆると勃ち上がっていく。 「や…め…」 くちゅ…くちゅっ……。 しばらく、前立腺を押し、揉み、音を立て、ナカを掻き回すと、快感に流されかけているのがわかる。 「う…んっ…!」 更に、抜き挿しを加え、内部を蹂躙していくと、焦点が定まらなくなりかけている。 「…ん…あ、っ…」 ―――もっと、見たい。 横たわる祐輔の傍らに、空いた手をついて、覆い被さるように、顔を覗き込む。 と、ふわりと、甘く、香った。 視線に気付いたのか、ぶれかけた焦点が戻ってきた。 押し退けようとしているのか、両手で胸を突いてきた。が、もう、力が入らないらしい。弱々しい。 「くっ!…う、…んっ……」 辛そうに眉根を寄せている。 与えられる感覚が何かわからないのか、わかっていて流されたくないのか―――。 どちらにしても、堪えようとしているようだ。 「はっ…ぁ…」 また、ゆらゆらと視線がさ迷い、戸惑いの色が濃くなっている。 ―――あらあら。 胸元に突き、拒むように身体を押し返していた手は、今はシャツを握り締めている。 「はっ…はぁ…っ…」 とうとう、目を瞑ってしまった。 ぎゅっと目を瞑り、“我慢している”らしい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |