〜hot chocolate〜
24.
カバンを置いて、一人では重いマットを引き摺り出す。
その様子に、祐輔が今度こそ大人しく従ったのを認めたのか、場を明け渡す。
拡げていくが全てを敷く程の広さはなく、半分以上丸まったままになってしまう。ちらりと、堂本の方を窺うと、
「そんなモンだろ」
腕を組み、跳び箱に寄りかかるように立ち、先程までとは一転、祐輔を冷めた目で見ていた。
自分が犯される為に、床を整える―――。
惨めさに、視界が滲む。
そこに、更なる命令が下される。
「脱げ」
のろのろと、脱いだブレザーをカバンの上に置き、ネクタイに手をかけた。
「下、だけでいい」
指示が飛ぶ。
ズボンを脱ぎ、躊躇っていると、
「ソレも、だ」
堂本に背を向けて、下着も脱いだ。
縮んだペニスは、シャツで、ギリギリ隠れてはいるが、少しでも動けば隙間から見えてしまいそうだ。
こんなところで、シャツにネクタイ、靴下、という姿になるなんて―――。
「脱いだら、四つん這いになれ」
上履きを脱いで(逃げてる時に、中庭を走ったので、そのまま乗るのは躊躇われた)、マットに上がる。真ん中辺りで正座をし、上半身を倒して、踞る。猫の香箱のような姿勢を取る。
少しでも、隠したかった。
「違う」
いつの間にか、傍にしゃがんだ、堂本にピシャリと尻を叩かれる。
「ヒィ」
「四つん這いになれ、って言ったんだよ」
見上げると、瞳にギラつきが戻っていた。
膝を立て、腕を伸ばし両手で身体を支える。
「違う」
「イタッ…!」
またピシャリと叩かれる。
「もっとケツを上げろ」
ぐっと肩を押され、肘をつく。
先程より、より尻を高く上げる格好になる。
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