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〜hot chocolate〜
17.
翌日―――。

学校に行きたくはなかったが、母親が、それを許してくれるとは思えなかった。
かといって、事情を話すだなんて出来るわけもない。
支度をして、朝食を済ませると、未だ、だるさの残る腰を抱えて、学校へ向かった。


教室へ着くと、既に来ていた景一が、クラスメイトと喋っていた。
祐輔に気付くと、挨拶を寄越して来た。

「おー、江井、おはよう」

「おいーっす!」

今日も暢気なクラスメイトが(特に、景一が)恨めしい。

「おぅ…」

「お?どうした?また寝不足か?」

景一が訊いてきた。

「ああ…そうだなぁ…」

「そうだな、って何だよ」

とは言ったものの、祐輔の睡眠不足などさして興味はなかったようで、

「なあなあ、聞いてくれよ…」

デレデレと彼女の話をし始める。

―――何か、ムカつく…。

話は、担任が来るまで続いた。



一日が終わり、帰り支度をして、携帯を開くと、一件、メールが届いていた。

メール画面を開く。

無題の、メール…。

一覧表示のままで、全文が確認出来る、短い本文。

『終わったら屋上に来い』
送信者―――。

―――堂本千晴。

堂…本………?

何故、自分のアドレスを知ってる?
何故、自分はアドレスを知ってる?

バクバクと脈が上がり、蟀谷を汗が伝う。

しばらく、画面を見たまま動けなかった。
が、意を決して、メールを削除した。

―――直接、拒めないなら、逃げればいい。
そう思った。
そうして、逃げるように家へ帰った。

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