〜hot chocolate〜
14
家に着くと、ソファに身を沈め、携帯を取り出した。携帯を弄り、祐輔のアドレスを表示して、明日の誘いのメールを打っては消し、打っては消しを、繰り返してしまう。また、文章を打とうとした時、着信画面に変わった。相田だ。
胸に巣食うやましさに、直ぐに、電話に出た。
「あ、ちーちゃん?」
「…何だ」
「ゆっぴょんのコト、無事に送ってくれた?」
「…ああ」
「ヘンなコトしてない?」
「…してねぇよ」
まるで見られていたかと、動揺を誤魔化すようにキツイ口調で返す。
「それよりさ」
「ぁあ?」
「今度のコトで、思ったんだけどね」
「…何だ」
「ゆっぴょんに、ボク以外が触るのイヤ」
「……」
「ちーちゃんはどう思ってんの?」
「……」
返事が出来ない―――。
「ちーちゃんもそう思ってるんでしょう?」
「……」
「否定しないの?」
「……」
「ちーちゃんもそうなんだね」
「……」
「『逃げない』んでしょ?」
「……」
「前にも言ったよね?ちゃんと言わないんだったら、貰っちゃうよ?」
(アイツが穂積のモノになる?!)
カッと頭に血が上る。
「…っざけるな!」
「それって、宣戦布告?」
これ以上、話していると“ボロ”が出そうだ。
「…勝手に言ってろ」
そう言い放つとブツリと電話を切った。
「…アイツは、譲らねぇよ」
携帯を握り締め、独りごちた。
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