〜hot chocolate〜 7 堂本に連れられたのは、屋上だった。堂本がベンチの右側に座って、持っていた大きな包みを開き、蓋を開けると食べ始めた。 隣に座って、お前も食べろということなのだろうと思い、堂本の隣に座って弁当を広げた。 「…いただきます」 相田の作った弁当はとても美味しそうだった。早速、メインの鶏の唐揚げを口に入れる。 「うまっ…!」 思わず、声が漏れる。 (相田先輩、すごっ!) 醤油や生姜等でしっかり下味を漬けられ、外はカリッと中はジューシーで冷めても美味しい。だし巻きも丁寧に取られた出汁が利いている。他のおかずもオレ好みの味付けだ。朝食も美味しかったが弁当も、美味い。こんなに美味しいのに、感想を言わない堂本と二人、弁当を黙々と食べていった。 「ごちそうさまでした」 食べ終わり、もう教室へ戻っても良いものかと考えていると、堂本が、口を開いた。 「…何もなかったか?」 「えっ?」 (―――白浜のコトだ) こんなに自分の身を案じてくれていたとは、思わなかった。 「何もなかったか?」 もう一度、問われたので、 「…あ、はい…。昼休みに呼び出されましたけど―――」 「―――んだと?」 堂本がスックと立ち上がった。纏う空気が怒気を孕んでいる。 「行くぞ」 「へ?ど、どこに?」 「どこに呼び出された?」 「えと、生徒指導室、です」 「生徒指導室に行くぞ」 「え?え?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |