〜hot chocolate〜
17
家に着き、ベッドへ倒れ込んだ。
(何だったんだ)
白浜にまで、犯されてしまった。助けてくれたのは、堂本と相田。身体のケアまでしてくれた。堂本に至っては「二度と関わりたくない」と伝える場を作ってくれたし、(脅しに効果があるのかわからないし、物騒だが)「殺すぞ」と釘を刺してくれた。家まで送ってくれた。そして―――。
抱き締められた。首筋にキスされた。
白浜と堂本の台詞が甦る。
『ああ、もしかしてわかってないのかい?』
『お前は、自分のコトがわかってない』
自分は、何をわかっていないのだろう?
相田に訊けば教えてくれるだろうか?
などと、思いつつ、携帯を開くと未来からメールがきていた。
『先輩、明日、時間ありますか?』
とあった。そういえば、昨日今日と未来に構う余裕がなかった。
『何?どうしたの?』
と返すとすぐに
『映画、観に行きませんか?』
と返ってきた。明日は休みだ。ちょうど予定もなかったし、気分を変えたかったので、了解した。
昼前に、駅前で待ち合わせる事になった。
翌日、駅に着くと、既に未来が待っていた。今日はパーカーにジーンズ。口がさけても言えないが、何度かこうして遊んでいるが、やっぱり、私服だと女の子にしか見えない。
「お待たせ。どうしよっか?」
ちょうど駅の近くにシネコンがある。
「ずっと観たかったのがあるんですけど」
と、今、話題の洋画のアクション映画を推してきた。
「おお、いいな!あ、でもせっかくだから、もう一本観ようぜ」
と、自分も公開してからネットや口コミでじわじわと人気の出てきた邦画のコメディ映画を推した。
「いいですね!実はそっちも気になってたんです!」
未来も乗ってきた。
上映時間を見てみると、今からどこかで昼食をとってから、戻ってくると、コメディ映画が始まり、その終了後、10分程で、アクション映画が始まる、完璧なタイミングだ。
「お!飯行って、戻って来たら完璧じゃねぇ?」
「そうですね!今日、運イイですね!」
「未来は何、食いたい?」
「えっと…」
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