HAPPY☆NOVEL
「私と言う名の僕」NO2
(コンコン)
「はぁい。」
と久しぶりに可愛い愛実の声を聞く。
(ガチャ)
「どちらさま?」
「久しぶり」
「えっあっ。りゅ、竜!」
「今日は報告とお願いがあってきたんだ…」
「え」
「報告って言うのは、僕本物の男性になったんだ。それで、お願いって言うのは、僕を愛実の愛人にしてほしい。」
「とりあえず、男になれたことはおめでとう…。でも、竜と付き合うのはできない…。ごめんなさい。」
そういって愛実は僕を外に出した。それでも諦められない。僕が告白したことで、彼女が困ることも分かっていた。彼女の幸せを願うなら諦めるべきだった。でもどうすることも出来なかった。
「愛実。ここあけて。」
「ダメ」
「たのむから。野山と別れろなんて言わないから、遊びでも良いから…」
と僕は祈るように言った。
「遊びって…。あたしはそんな意味で言ったんじゃない!遊びで付き合うような軽い女じゃない!あたしはただ、あなたと今付き合ったりしたら、また今まで以上に好きになることが怖いだけなの!」
「だったら、本気で僕のこと好きになって。僕はなにがあっても、愛実の愛を手放したりしないから…」
(ガチャ)
と出てきた愛実の顔は。泣いていた。
「ほんと?」
「本当だよ」
と僕が言ったら、
「じゃあ、信じるよ?」
「うん」
そういって抱きついて
野山が愛実を殴るのを見ていられず、
「やめろォ〜!」
と思わず出ていってしまった。
「ダメ!でてきちゃ!」
「てめぇは竜!女男じゃねぇか!」
「もう僕は女男じゃない!本物の男だ!」
「へぇ。だから愛実を俺からとりに来たって訳か。ふざけやがって!」
そういって僕を殴ってきた。そんな僕をみていられなかったのか、
「やめて!やっぱ無理だったのよ…。あたしたちやっぱ別れよう?」
といってきた。そんなのやだよ…。
「そんなのやだ!もうはなさないでって言ったじゃないか!絶対絶対別れない!」
彼女の幸せを考えれば、別れた方が良いに決まってる。でも、今の僕にはそんな余裕はなかった…。
「絶対ヤダ!」
「いいから出てって!もう、あなたなんて好きじゃないの!嫌いになったの!今まで遊びだったの!さよなら…。」
そういって僕を強引に外へ追い出した。やっぱ無理だったのかもしれない。愛ねぇの言うことを素直に聞いているべきだった。でも、このままじゃやだよ。まだこんなに好きなのに、愛実の幸せを考えられないほど好きなのに、諦めるなんて…。そんなの僕にはできない…。それでも、僕らは会うこともなかった。どうしてこんなことになってしまったんだ。僕はただ、愛実のことが好きなだけなのに…。ひどいよなぁ。神様は…。神様は僕に愛実を好きになる権利ももらえないのか。僕は神に許されてなくても、愛実のことを愛してるのに…。せっかく男になって、愛実を野山から奪おうと思ってたのになぁ。でも今はそれもできない…。愛実にちかずく事さえ出来やしない。
「会いたいよ…。」
愛実、今君は何してるの?元気でやってるの?野山に殴られてない?心配だよ…。愛実と会わなくなってから数日、僕は詞を書くようになった。詞をかいた後、僕は考えた。一人で詞を書いていてもしょうがない。愛実に手紙を出そう。と考えた僕はすぐに書いて出した、
「愛実へ」お元気ですか?僕は元気です。できたら返事がほしいです。本当にしつこくてごめんなさい…。最悪な男だよね。愛実の幸せを考えれば、忘れた方が良いに決まってるってことぐらいわかってる。でも、諦められないよ。一度で良い。一回僕とあって。お願い。明日から毎日、あの公園で待ってる。
竜より
それから数日後、何日待っても愛実は来なかった。でもある日突然、愛実が僕の家に来た。
「竜、助けて!」
(ガチャ)
「どうした!?」
「昭が…」
「昭が…あたしが別れたいって言ったら、別れるぐらいなら死んだ方がましだ!そういって、あたしをさそうとしたの!」
「分かった。こっちおいで。」
そういって愛実をそっと抱き寄せた。その時!
「みぃ〜つけた!愛実チャン、おとなしくこっちにおいで。そして、俺に殺されなさい。」
と言い、愛実に向かってナイフをつきつけながら、走って来た。
「やめろォ〜!」
と僕は愛実の目の前に飛込んだ。
「うわぁぁぁ」
「いやぁぁぁ」
次の瞬間。僕の目の前は真っ暗になった…。
「ここは何処だ…僕は死んだのか?」
「竜。」
「その声は、竜太にぃ。ここは何処なの?」
「ここは、天の門」
「天の門?」
「そう。今から死ぬ人が来るとこだよ」
「じゃあ、僕も死んじゃうの?」
「馬鹿言うな。ここはお前の来る場所じゃない。お前は今から、あの光に向かって走れ!」
そういうと、竜太にぃはすぐに消えてしまった。僕は早く走らなきゃ!僕は全速力で走った。
「こっ。ここは?」
「病院だよ」
「じゃあ、助かったんだ。あれ?野山は?」 「警察に自主しに行ったよ。あと、これ投げて。」
「何これ?これは…。離婚届け…。ってことは…、愛実を諦めるってこと?」
「うんそうだよ。これからは、ずっと一緒に居られるよ!」
「うん…。愛実。もう絶対はなさないから!覚悟しといて。」
「うん。しとく。」
そして僕は、無事退院して、愛実と一緒に2人で暮らした。僕はそのうち戸籍を変えようと考えている。そうしないと、僕はまだ戸籍状は女だから、彼女とはまだ、結婚が出来ないのだから…。 〜END〜
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