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ルチアのきまぐれで書く小説!
〜序章〜 僕の始まり
「はぁ〜……眠い」
 僕は、いつものように着替え部屋を出た。
 僕の名前は、大知花 夕、ただいま絶賛登校拒否中。理由は単に行きたくないからだ!! 正確には少し悩みがあるからだ。
 それにしてもこの廊下はおかしい! 長すぎる!! 赤い高価な絨毯が廊下の先まで……。そして、歩いて行くそのいたるところに有名な絵画が飾られており、シャンデリアまで。
 この長い廊下の先にようやく食堂が見えた。
「おはようございます。夕様」
 食堂に入るとそこにはいつもの執事がいた。
 この人は、ここ雇われている執事の入江さんだ! 歳は40歳くらいのおじさんで、昔は強かったらしいが、本人は今も強いと言っている。が、毎日腰痛に苦しんでいる。
「朝食の準備ができました。こちらへ」
 そう言われ、引かれた椅子にとりあえず腰を掛ける。
「信之様がお呼びですよ。食後にでも行ってくださいね」
「イヤだ!」
「イヤだ、と即答されましても……」
 絶対に行きたくない。どうせまた、学校に行け! と言われるだけだからだ。
「そういえば、今日はとても、とても、とても大事な話があるから絶対に来い! と仰っておりましたぞ!」
「大事なので3回繰り返してみましたが、もう1度言いますか?」
「いや、もういいから!」
「そうですか、それは残念です」
 え! なにが残念!?
「とても、とても、とて……」
「もういいから! ていうか、ついさっき言ってただろ!」
「そうでしたか、最近は物忘れが激しくて……」
 このじじい…大丈夫か?
 それにしても親父にしては珍しい。まぁ、この僕はたまには顔を出してあげようかな!
 と、思ってもいないことを考えた自分が嫌になる。
 これが僕の人生を変える大きな分かれ道になるとは思ってもいなかった。


 コンコン……。
「夕か! 入ってもいいぞ!!」
 親父の声だ! 早く用事を済ませよう。僕は扉を開け、部屋に入った。
「おぉ! 久しぶりに顔を出してくれたな!」
 部屋中に響くようなバカでかい迷惑な声で僕を迎えてくれた。全く親父の高慢さに加えあの顔はいつも笑いが隠せず顔に出てしまうのがちょっとした悩みの種である。
「親父! なんの用?」
「まぁ、そんなに急かすなって! ビックニュースだぞ!」
「なんだよ! ビックニュースって……?」
 なんだか嫌な予感しかしない……。
「夕! 来週がなんの日かわかるか?」
「来週? なんかあったっけ? …………ってまさか!」
「そのまさかだぞ!」
「…………」
「えっ? なに言ってんの? 俺の悩みを知っててそんなこと言うの!」
「何も心配はいらないさ! ちゃんと男物の制服を用意してあるからさ! それに夕の護衛に2人用意してるから」
 来週は、親父が経営している大知花学園の入学式だった。
「心配ありすぎるから!」
「それと名字は大知花だと色々面倒だから花井にして入学手続きは済ませておいた! 話はそれだけだ、もう戻っていいぞ!」
「お、おいっ! 人の話を聞けよ!」
 おいおい、マジかよ! 大変なことになった……。
 僕の悩み…………。

 それはこの僕が‘女の子’だからだ!


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あきゅろす。
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