「阿部ってさ,なんであんなにおせっかいなんだろうな」 三橋と阿部の会話を聞き呆れたように泉がそう言った。 その場にいたやつが泉の発言にうんうんと同感する。 「でもさ,そこがいい所なんじゃないかな?阿部は」 そう栄口が阿部の事をフォローした。 いや,こいつの事だからきっと本気でそう思っているんだろう。 だがそれは長所なのか・・・と皆が疑問を抱いていると花井が小さな声でぽつりと呟いた。 「・・・たまには,怒っている時意外の顔も見てみたいよな」 それを聞いた皆は一斉に考え始めた。 怒っている時意外の顔? っていう事は照れたり・・・笑ったり? 阿部がそんな表情をするのは確かに珍しい。 確かに見てみたい・・・かも なーんてちょっとした期待をしたけれどもやっぱり阿部は阿部だ。 無理なんだろうなあ,と皆もそう思ったのかため息をつく。 が,田島だけはあきらめなかった。 「それさんせー!!いいじゃん,やってみようぜ!!」 「・・・っはあ!?田島,それまじで言ってんのぉ〜!?!」 「ゲンミツに本気だぜ,俺は!他のやつらだって阿部の普段見せない顔とか見てみたいよな?」 「ま,まあな」 「じゃあ決定!誰が一番うまくいくか競争な!!!」 ・・・・こうして田島の『阿部大作戦』が始まったのであった。 [次へ#] [戻る] |